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神棚の祀り方で扉は開ける?閉める?例外はあるの?掃除の時は?


神棚の祀り方で多くの人が最初に悩むのが扉の開閉です。
神棚の扉は開けるのでしょうか、閉めるのでしょうか。

また、普段は開けておくけど例外的に閉じたり、普段は閉じておくけど例外的に開けたり、ということはあるのでしょうか。
更に、掃除する際には扉を開けたり閉めたり自由に行って良いのでしょうか。

今回は、神棚の祀り方で扉に関することを中心に、神棚を設置する際に知っておきたい基本についてまとめました。

神棚の祀り方で扉は開けるの?閉めるの?

神棚の扉を開けるべきか、閉じるべきか、という問題は、実は神社や地域によって異なり絶対的な正解はありません。
神社を全国的にとりまとめる神社本庁の見解を確認したところ、「どちらでも良い」とのことでした。でも、各都道府県に1つずつある神社庁にいくつか確認したところ、「常に開けておく」という見解もあれば、別の神社庁では「常に閉めておく」という見解もあったのです。

でもなぜ、このように見解が分かれるか不思議ですよね。ここでこの理由についてお話しします。

「神棚の扉を閉じる」派の見解

神棚の扉を閉じておく、という見解の根拠としては、「家に祀っているお札はご神体だから」と考えているからです。ご神体というのは見えないように隠すべきであり、神の姿は軽々しく見せるべきではないのですね。

「神棚の扉を開ける」派の見解

一方、扉を開けておく、という見解については2通りの考え方があります。
(1)「家庭にある神札はご神体とは異なる」という考え方。あくまでもご神体は神社に存在し、家にお札を祀ることで神社のご神体と家を結んでいる、とされているからです。
(2)「神が外を見渡すことができることが大切」だという考え方。この場合、朝になったら扉を開いて夕方になったら扉を閉めます。※1

素人からすると、どちらも最もらしい見解だし、真偽が分かりませんよね。なので、最終的には

  • 家の慣習が分かっていればそれに従う
  • 家の慣習が分からない場合は、氏神様の神社で尋ねる

というような考え方でいけば良いでしょう。

※1 神棚を夜だけ閉めるという見解について

「神棚を開ける」見解の(2)では「朝になったら扉を開いて夕方になったら扉を閉める」方法ですが、これを毎日続けるのは大変ですよね。仏壇と違って神棚は高い場所にあるので忘れやすいし。

忘れないためには、朝と就寝前におまいりをする習慣をつけると分かりやすいそうです。朝一番に扉を開けてお参りし、就寝前や業務終了時にお参りをして扉を閉めるのだとか。

それでもやっぱり大変・・・と感じる人は多いでしょう。なので、それなら神棚の扉は開けっ放しでもいいのでは?という流れになるようです。


神棚の扉を開ける例外的なケースとは?

「神棚の扉は普段閉めておく」という考え方であっても、未来永劫閉じておくことはありません。以下のような場合には開けることもあります。

  • 神棚の掃除をする時
  • お札を入れ替える時※2
  • 神職が儀式で開く時

その他、神社や地域によっては、以下のようなケースもあります。

  • 毎月1日と15日に扉を開ける
  • 巳(み)の日だけ扉を開ける
  • 庚申(かのえさる)の日だけ扉を開ける

この理由については、常に扉を開けてしまうと、その中に神様はいなくなってしまうのだとか。ほんの少しだけ開けることで、いつも扉を閉めていることによって蓄えた神力を、開けることで発揮してくれる、という見解もあるそうです。

※2 お札を入れ替える時

お札を入れ替える時期は通常であれば1年に1回、お正月になります。年末の大掃除の際に神棚から取り出しておき、新年に新しいお札をいただき神棚に納めます。古いお札は新しいお札をいただく際に、神社に持参してお焚き上げしてもらいましょう。
また、古いお札を出した後、新年に新しいお札をいただくまでの間は神棚を開けておくことになります。


神棚の掃除で扉はどうするの?

神棚を普段開けておくと、埃が入りやすいです。普段閉じているは開けておくよりはマシですが、それでも埃は入ります。どちらにせよ、年1回の年末大掃除だけだと神様が埃まみれになるため気持ちの良いものではありません。神聖な神棚なので定期的に清掃していく方が良いですね。

とはいえ、高い場所にある神棚を毎日掃除するのは大変ですし、月に数回、日にちを決めて行うのが良いです。お榊やお供え物は1日と15日に取り替えるので、簡単な掃除をすると決めるのが忘れにくいでしょう。

この時、神棚の扉をどうするか、ですが、普段開いている場合は当然扉の中まで掃除できますよね。でも、普段閉じている場合は扉の中まで掃除できません。そこで、この時だけ扉を開いて掃除することになります。ですが、日々の掃除では開けずに閉じた状態で可能な範囲を掃除しておき、年末の大掃除だけ扉を開いて徹底的に掃除する、という見解もあります。

これも、どちらが扉を開けるか否か、絶対的な回答はありませんので、あまり悩まずにその時の埃の状態等によって考えれば良いでしょう。

でも、普段神棚ってどうやって掃除すれば良いのだろう、と悩む人もいますよね。次に掃除方法についてお話しします。

神棚の掃除方法 普段の場合

神棚の掃除というと敷居が高い気がするかもしれませんが、そんなに気負わなくて大丈夫です。埃が積もらないようにして、神様が気持ち良く過ごせるようにと意識する程度で十分です。

掃除道具は100円ショップのハタキ布巾で十分です。ただ、掃除道具は神棚専用にしましょう。神棚の掃除道具を他の場所に使い回ししないようにしてください。(掃除のたびに新しいものを用意する必要はありません。)

掃除方法は以下の通りです。

(1)神棚にある供え物やお榊などを下に降ろします。
(2)「失礼します」と声を掛けてからハタキで端から埃を払います。
(3)きれいな布巾で乾拭きします。(神棚は白木なので水を使うとカビや歪みが生じる可能性があるので極力水は使わないようにしてください。)

また、彫物など、複雑な溝がある場合はハタキや布巾だけではきれいに出来ません。もしエアーブラシがあれば活用すると埃を取ることができますよ。エアーブラシを使う場合も一言神様に「掃除させてください」とお断りしてから作業しましょう。

さいごに

神棚を開けるか閉じるか、という問題は神社庁の統一見解はなく、地域や神社によってバラバラです。どちらの見解も一理あるので、突き詰めて考える問題ではなく、家で祀る氏神様の神社で確認するのが一番良いでしょう。
どちらにせよ、祀る人の気持ちがその方法で大丈夫なのだと納得した上で、素直に神を敬う心が大切なのです。

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