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供養のマナー

枕飯と枕団子の作り方は?毎日変えるの?処分はどうするの?


葬儀を行う際にお供えする枕飯と枕団子は、普段適当な分量で作るご飯や団子と違います。葬儀独特の決まりがあるのですよね。だから、

「作り方や盛り方が分からないわ。どうすれば良いの?」

と悩む人が多いです。

今回は、枕飯と枕団子の作り方と盛り方を分かりやすくお伝えするとともに、

・枕飯と枕団子を毎日変える方が良いのか
・変える場合の処分方法はどうするのか

・・・などについてもまとめてお話しします。

枕飯の作り方は?

枕飯はお茶碗にご飯を山盛りにして、箸を2本真っ直ぐ立てる方法が一般的です。
ご飯の山盛りについては、男性は多めで(大高盛)、女性の場合は普通の量(普通盛)にすることが多いです。

【枕飯の材料】
・大高盛の場合→米:茶碗すり切り一杯分、水:茶碗の1.2倍
・普通盛の場合→米:1合、水:1合×1.2

【必要な道具】
茶碗2個(愛用していたお茶碗と、もう1つ別の茶碗)

【作り方~大高盛の場合】
(1)お茶碗にすり切り一杯分の米を入れて量り、それを炊きます。
(2)炊き上がったら、別の茶碗を1つ用意して、さっと水で濡らしておきます(後でご飯粒がつかないようにするため)。
(3)愛用していた茶碗と、(2)の濡らした茶碗の両方に(1)のご飯を全て盛ります。(押しつけるような感じです。)
(4)ご飯を入れた2つの茶碗を上下合わせて(下が愛用茶碗、上が内側を濡らした茶碗)、上下に振って上の茶碗からご飯が下に落ちたら上の茶碗を外します。
(5)上下ご飯の間に段が入っているはずなので、その継ぎ目をきれいに修正します。
(6)お箸を真ん中に2本立てます。

【作り方~普通盛の場合】
普通盛りの分量は、米1合です。また、量が少ないので盛り付けする際には2個の茶碗に盛るのでなく、内側を濡らした方の茶碗に全て盛り、愛用茶碗を下にして合わせ、ご飯を振り落とす方法です。その後お箸を2本真ん中に立てるのは同じです。

※箸の立て方
箸については2本垂直に立てる方法が一般的ですが、地域によっては以下のような方法もあります。

  • 2本立てるけど、箸の高さは揃えない
  • 2本横に置く
  • 2本のうち1本を横に刺して飾り、十文字に立てる


枕団子の作り方は?

枕団子は6個にするのが一般的です。これは仏教の六道(六世界=地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)を意味するといわれています。ですが、他にも3、4、6、10、11、13、16、49個など宗派や地域によって異なります。ちなみに、浄土真宗では枕団子については迷信だという考え方なので不要です。

【材料】団子6個分
上新粉90g 
熱湯 約80ml

【道具】
盛り付ける小皿(出来れば白い無地皿)
鍋、木べら(または菜箸)

【作り方】
(1)上新粉をボウルに入れ、熱湯をゆっくり注ぎ、木べらか菜箸で粉っぽさが無くなるまでよく混ぜます。
(硬い場合は熱湯を少し追加し、柔らかい場合は上新粉を少しまぶして、「耳たぶより少し固め」程度になるよう調節します。)
(2)6等分して丸めます。
(3)鍋にたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら(2)を入れて3~4分間茹でます。
(4)団子が浮き上がってきたら一度冷水に入れてからお皿に取って冷まします。
(5)盛り付けは、作った6個のうち、5個を梅の花のように並べてから最後に1個を中央上にのせます。

枕飯と枕団子は毎日変えるものですか?

枕飯と枕団子をいつから飾るのか、飾る時期については地域によって次の2つに分かれるようです。

  • 亡くなった当日にお供えする(間に合わない場合は翌日)
  • お通夜の日

そして、お通夜の日にお供えする場合は翌日告別式までそのまま変えずに飾っておくのですが、亡くなった当日か翌日にお供えする場合は、告別式の日まで数日間ありますよね。この場合、変えるかどうかについての考え方も1つではありません。

  • 毎日変える
  • お通夜の日に変える
  • 全く変えない

現実的に考えると、葬儀を行うにあたって遺族はとても忙しいため、毎日変えるのは難しいです。我が家の経験で言うと、過去に葬儀社が用意してくれるパターンと、自分で作ったパターンと両方あったのですが、どちらも交換はせず、一度作ったものを最後まで使いました。(どちらも、亡くなった翌日にお供えし、翌々日の告別式まで約2日半、ずっと同じじものをお供えしていました。)

そもそも、枕飯と枕団子をお供え理由は、故人が極楽浄土に旅立つ前に腹ごしらえのためとか、昔は白米が高価な食べ物であったことから浄土へ旅立つ前にご馳走する等のいわれがあります。ですから、毎日変えることを考えるよりも、心を込めて1回作れば良いのではないでしょうか。

ちなみに、お供えする理由は上記以外に次のような説もあります。

  • お釈迦様が涅槃(悟り)に入る際に無辺菩薩が香飯を献上したら辞退されたため、死後団子をお供えした説
  • 六地蔵へのお供えもの説
  • 美味しい食べ物で故人の霊を呼び生き返らせようとする願い説


枕飯と枕団子の処分方法は?

枕飯と枕団子は告別式が終わった後に半紙に包み、出棺前の最後のお別れの際に棺に入れ、遺体と一緒に火葬することになります。枕飯と枕団子を交換した場合も同様です。交換した時に半紙に包んで保存しておき、出棺前に他の枕飯等と一緒に棺に入れます。

枕飯や枕団子を入れる茶碗と小皿は故人が日常使っていたもので、後で割って処分します。そうすることで、故人の魂がこの世への未練を断ち切り、迷わず成仏できるという意味があります。

さいごに

枕飯は葬儀の時だけお供えするものです。箸をご飯に立てるのも葬儀の時だけです。その後の仏壇へのお供えにはお箸を立てないようにしましょう。また、お箸を立てるのは亡くなった人へのお供えの意味があるのでぐれぐれも普段の私たちのご飯にも立てないようにしてくださいね。

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