仏壇にお供えするご飯は毎日炊きたてでないと駄目なのでしょうか。
ご飯をまとめて炊いてラップで冷凍ストックして小出しする方法は、意外と美味しいし経済的という利点があるけれど、仏壇がある家だとお供えする際に困りますよね。
今回は、仏壇にお供えするご飯について、
・毎日炊きたてでないと駄目なのか
・乾燥を防ぐためにラップをかけてお供えしてもいいのか
・いつまでお供えしておくのか、いつ下げるべきか
以上についてお話しします。
仏壇のご飯は毎日炊きたてをお供えするべき?
仏壇のご飯は毎日炊きたてをお供えするのが良いのですが、今の世の中忙しい人が多いですし、毎日絶対にお供えしなきゃ、と思っても続かないものです。そこで、ずっと続けていくためにも無理なく自分の出来る範囲でという姿勢が大切です。
そして、我が家のように毎日ご飯を炊かない場合については、以下の考え方があります。
(1)炊いた時だけお供えする
炊いた時にお供えするのは、「心を込めて手間をかけて作った食べ物をお供えする」という気持ちの表れです。
仏様にご飯をお供えするといっても、実際のご飯を物理的に食べるわけではありません。仏様は炊いたご飯の香りや湯気をいただくのです。ご飯以外のお供えも同様で、お茶や果物、お菓子等も新鮮なうちにお供えして食べていただくことが大切です。
ちなみに、ご飯を夜に炊く場合は、炊いたその時点でお供えしましょう。必ず朝にお供えしなければならないという決まりはありません。
(2)毎朝電子レンジで温めてお供えする
毎朝電子レンジで温めたものをお供えするのは「家族と一緒に食べてもらう」気持ちの表れです。また、お供えを毎日続ける行為そのものに手間をかける、ということに繋がります。
電子レンジで温め直すのは、湯気を出す目的もあるかもしれませんが、冷凍ご飯や冷や飯の場合は低温のため、でんぷんの性質上バラバラ状態となり、器にきれいな盛り付けが出来ないからです。(加熱すると糊化して米同士がくっつくようになります。)
仏壇のご飯はラップで乾燥予防してもいいの?
ご飯を仏壇にあげておくと乾燥するから嫌だ、という人もいますよね。その場合、ラップをすれば乾燥を防ぐことができます。
でも実際にラップをして良いのかというと、あまり好ましいことではないでしょう。
というのも、仏様は私達のお供えするご飯を物理的に食べるのではなく、ご飯の香りや湯気を食べるとされているからです。ラップをすると、せっかくの香りや湯気が閉じ込められてしまうのですよね。
お供えしたご飯は乾燥するからそのまま食べるのは嫌、という場合は、下げたものをそのまま食べるのでなく、一度ラップで包んで冷凍保存しておき、まとまったらチャーハンやリゾット等に使うと食べやすくなりますよ。(数十分間のお供えとはいえ、嗅覚の鋭い人だとご飯に線香の香りが付いているのを感じる可能性もあるので、できれば濃い味付けの料理に使う方が良いでしょう。)
【湯気の出ないお供えの場合は?】
ご飯の場合は湯気を食べるとされていますが、果物等の場合は湯気は出ないので、匂いをお供えするという感じになります。
ご飯と違って、すぐに下げる必要はなく、数日間お供えして、その後家族で食べる時に剥いて改めて少しお供えして、それを下げて食べるという流れが良いでしょう。
仏壇のご飯はいつまでお供えしておくの?
お供えにラップをして上げるのは良くないと分かっているけど、でも乾燥してガチガチになってしまうのが嫌だと思う場合は、お供えする時間が長すぎるので、時間短縮してください。
そもそも、お供えというのは、あまり長く上げっぱなしにしません。果物などは数日間あげておいても良いのですが、ご飯等の場合は、湯気が出なくなった時点で下げて良いのです。
具体的にはその家庭の流れに合わせれば良いのですが、炊きたてご飯をお供えした後、
・湯気が消えたとき
・朝のおまいりを終えたとき
・家族の朝食を終えたとき
このようなタイミングで下げましょう。
お供えは、仏を敬う気持ちから行うものです。そのため、ご飯が変色するまで放置したり、ガチガチになるまで乾燥させる、等のことはせず、美味しいそうな状態のうちに下げて、良い物を家族でいただくことが基本なのです。
ですから、長時間お供えしたまま放置するのは駄目なのです。
仏様も、美味しさが失われたものをお供えされたまま、というのは全然嬉しくないのですから。
さいごに
仏壇にお供えするご飯は炊きたてが一番です。
でも、昔は朝欠かさず炊きたてご飯をお供えする傾向がありましたが、今は電子レンジの普及もあり、毎日ご飯を炊かない家庭も多く困るケースも少なくありません。
お供えするご飯が無い日については、
「その日家族が食べる分をレンジ加熱する際に、一緒に加熱してお供えの分も用意する」
という人もいれば、
「温かいお茶や普通のお水だけでも心を込めてお供えして手を合わせれば良い」
と考える人もいます。
これはその家のやり方や環境が異なるので正しい答えはありません。どちらにしても大切なのは、仏様を敬う気持ちなのです。あまり悩まずに「自分の出来る範囲で続けていく」ことがポイントです。