四十九日法要のお布施を用意したけど、渡し方のマナーってどうなっているのかなあ。
当日どうやって手渡せば良いのかしら?
と悩んでいませんか。
今回は、お布施の渡し方について具体的に、渡すタイミングと挨拶の言葉なども含めてお話しします。
◆お布施の書き方やお札の包み方についてはこちらの記事をご覧ください。
→四十九日法要でお布施の袋は何が正しいの?書き方やお札の入れ方は?
四十九日法要のお布施の渡し方は?
四十九日法要のお布施の渡し方で悩むことの1つに「どうやってお坊さんに差し出すか」という問題がありますよね。
お布施は、お札をお布施袋に入れた上でお坊さんに渡すのですが、ここでのポイントは、
・畳や床に置かない
・自分はお布施袋に手を触れない
ということです。
では、具体的にどのように行うかというと、小さなお盆か、袱紗(ふくさ)を使って、その上にのせてお坊さんに渡すことになります。
この理由は、お布施というのはお寺の御本尊様へのお供え物だからです。法要の際にお経を読んでもらうから、お布施は「お坊さんへのお礼」だとお願いする側としては考えるものですが、実は、お寺の側からすると、そうではありません。
まあ、単なるお礼だとしても丁寧に扱った方が良いのですが、ご本尊様へお供えするからこそ、より一層丁寧に扱う必要があるのです。そこで、お盆や袱紗の上にのせて渡して、お坊さんにお供えしてもらうことになります。
ちなみに、お布施と一緒に渡すお車代と御膳料は、お布施の封筒の下に重ねて渡します。(お車代は自宅で法事をする場合のみ必要となります。)
お布施をのせる盆は?
ところで、お布施をのせる小さなお盆はどのようなものが良いのでしょうか。
お寺の場合には、お寺で用意してくれる可能性もあり、その場合にはそこに乗せれば大丈夫ですが、そうでない場合や、家で行う場合には困りますよね。なので、家で行う場合には、次のような名刺盆(切手盆)を用意する方法もあります。
名刺盆(切手盆)
ちなみに名刺盆は、こういう商品でなくても構いませんが、よく100円ショップで売られている普通のお盆だと、角が角ばっているので適切ではありません。角は丸みの帯びた物である必要があります。
【角ばっているお盆が駄目な理由は?】
名刺盆などは、元々お祝い事の品物をのせるための道具だったことから、角があるもの(=継ぎ目のあるもの)はNGでした。今はプラスチック製品が多いのですが、やはり名刺盆や切手盆という名称の商品でないと、角のあるお盆が多いため、きちんと「名刺盆」「切手盆」等の商品を選ぶ必要があります。
そして、実際の置き方と渡し方は以下の流れで行います。
(1)名刺盆の上に、自分が読める向きで(正面にして)お布施袋を置きます。
(2)名刺盆を畳に擦らないように、相手の正面になるよう180度向きを変え、相手の手が届くところに置きます。
盆付き袱紗
また、用意しても滅多に使う機会がないので名刺盆を買うのは・・・と躊躇する場合は、盆付き袱紗という方法もあります。
盆付き袱紗は慶弔両方で使えるため、1つ持っていると重宝します。こちらの商品は慶弔でお盆を裏表使い分けるタイプで、袱紗の中ではレビュー数が多く、評価も4.49と非常に高く、人気のある袱紗です。
盆付き袱紗の場合の置き方と渡し方も、名刺盆と同様で、以下の流れになります。
(1)盆付き袱紗の包みを開きます。この時、自分が読める向き(正面にして)開くのがポイントです。
(2)盆の上にお布施をのせたまま(袱紗は開いた状態)、相手の正面になるよう180度向きを変え、相手に渡します。
四十九日法要のお布施を渡すタイミングは?
お布施を渡すタイミングは、家で行うか、お寺で行うか等の状況によっても異なりますし、そのお寺のやり方によっても変わります。ただ、多くの場合は以下の(1)から(3)のどれかになります。
(1)法要前か法要後、お坊さんに挨拶する機会があるので、その際に渡す。
(2)(お寺での法要の場合)お坊さんに直接でなく、受付で渡す。
(3)事前にお寺に持参する。
これはお寺の規模や考え方等によっても異なるので、事前にお寺に確認しておく方が良いでしょう。
ちなみに、今は(1)の法要前か、法要後に渡すことが多いのですが、昔は(3)の「事前にお寺に持参する」という方法が一般的だったそうです。何故かというと、お布施の本来の意味は、お坊さんへの読経のお礼でなく、お寺のご本尊様への供え物だからです。法要を営むにあたり、事前にご本尊様にお供えした上でお坊さんに読経してもらう、というのが本来の流れなのですよね。
今の時代は、どちらかというと(1)から(3)のどのタイミングで行うかという議論でなく、(1)の法要前と法要後のどちらで渡すのだろうか、という疑問を抱く人が多いようですが、本来は事前に持参するのが筋とされていたため、当日渡すのであれば、法要前にお坊さんに「よろしくお願いします」と挨拶する際に、一緒にお布施を渡す方がスムーズですし、お坊さんにも気持ちよく読経してもらえるのではないでしょうか。
四十九日法要のお布施を渡す際の挨拶は?
お布施を渡す際の挨拶言葉としては、いつお布施を渡すのかによっても異なりますが、以下のような言葉があります。
渡すのが法要前の場合には、
「今日は○○の○回忌法要をよろしくお願いします」
法要後の場合には、
「お勤めありがとうございました」
などとお礼を言ってから、
「(ご本尊様に)お供えください」
というような言い方が良いでしょう。
また、自宅で法要を営む場合には、
「お使い立てして申し訳ありませんが(お寺の御本尊様に)お供えください」
「おことづけして申し訳ありませんが(お寺の御本尊様に)お供えください」
と言います。
ちなみに、受け取ったお坊さんは、「お布施が自分へのお礼ではない」ことを認識していることから、「頂戴します」ではなく「お預かりします」という言葉を返してくるでしょう。
さいごに
お布施の渡し方で特に注意すべき点は、
・お布施を畳や床に置かないこと(名刺盆や盆付き袱紗で大事に扱うこと)
・お礼でなく「御本尊さまへのお供え物」としてお坊さんに預けること
以上2点です。滅多にないことなので戸惑うかもしれませんが、これらのことに気を付けてお布施を「お供えください」と言えれば大丈夫ですよ。