四十九日法要や一周忌、3回忌などの法事・法事でのお布施は、どのタイミングでなんて言って渡すのかしら?
近親者の法要以外には、ほぼありえないシチュエーションなので、どうしていいのかよく分からず心配になりますよね。
今回は、お布施を渡すタイミングや挨拶の言葉なども含めてご紹介します。
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法事法要でのお布施の渡し方は?
お布施とは?
お布施(おふせ)とは、葬儀や法要で読経していただく僧侶への謝礼としてお包み(お渡し)する金銭のことです。菩提寺との日常的な関わりが薄くなっている現代社会では、お布施の額面が妥当なのかどうか疑問に思われる方も多いかと思いますが、これは僧侶のお小遣いでも報酬でもありません。僧侶にお渡ししたお布施は、ご本尊に捧げられ寺院の維持費や活動費となります。
そのため、お布施は士業にお支払いする手数料のように額面が定まっていないのです。菩提寺との関係性や地方によっても、お包みする金額は異なります。またお布施は、「払う」のではなく「包む」や「納める」という表現をします。
お布施は、袱紗に包んで持ち歩き、僧侶に渡す直前に袱紗からだします。汚れるのを防ぐためと、丁寧に扱うことでこれから行う祭事へを大切に思い、相手に礼を尽くす、相手の気持ちに寄り添うといった姿勢や気持ちを表します。
法事法要でのお布施の渡し方は?
四十九日法要に限らずですが、お布施の渡し方には作法があります。
- 小さなお盆か、袱紗(ふくさ)にのせて僧侶に渡す
- 畳や床に置かない
- 自分はお布施袋に手を触れない、手渡ししない
前述の通り、お布施は読経などに対する僧侶への謝礼ではありますが、菩提寺のご本尊への捧げるものです。ご本尊へ失礼がないよう、丁寧に扱います。
◉ お布施をのせるお盆とは?
寺院で執り行う際に、寺院側にお盆の用意がある場合もあります。その場合には、そのお盆に乗せてお渡ししましょう。
家で行う場合などには、切手盆(名刺盆、祝儀盆など)を用意しておくといいでしょう。
滅多に使わないものだからと言っても、見た目があまりにチープなものは避けましょう。僧侶への謝礼であり、ご本尊へお供えしていただくものを、乗せるお盆なのですから。お盆は、角がない、角に継ぎ目のない(角に丸みのある)お盆の方がいいでしょう。
お盆にのせてお布施をお渡しする手順
- 切手盆に家紋などのがある場合には、自分の方へ向けます
なければ、自分の前に縦長の方向に置きます - お渡しする直前に袱紗を開き、袱紗を取り出します
- 切手盆の上に、自分が表書きを読める向きにお布施を置きます
袱紗は 右→下→上→左 の順 でサッと畳んで手元に置くか、切手盆の上に乗せその上にお布施を置きます - 切手盆の上下を持ち、反時計回りに90度回転させません
- 手を持ち換えてさらに90度回転させ、僧侶から見て表書きが読める向きにします
- お礼の言葉を述べながら両手で袱紗ごとお布施を差し出します
- 僧侶が受け取ったら、お盆を手元に引き寄せます

◉ 台付き袱紗なら?
用意しても滅多に使う機会がないので名刺盆を買うのは・・・など躊躇する場合は、台付き(盆付き)袱紗という方法もあります。
濃い紫の袱紗は慶弔どちらでも使うことができますし、お盆は表裏で慶弔の使い分けができるので1つあればとても便利です。
盆付き袱紗の場合の置き方と渡し方も、切手盆と同様で、以下の流れになります。
簡単な流れ
- お渡しする直前に袱紗を開き、袱紗を取り出します
- 台を包むように 右→下→上→左 の順で袱紗をたたみます
- たたんだ袱紗の上に、自分が表書きを読める向きにお布施を置きます
- 袱紗の上下を持ち、反時計回りに90度回転させます
- 手を持ち換えてさらに90度回転させ、僧侶から見て表書きが読める向きにします
- お礼の言葉を述べながら両手で袱紗ごとお布施を差し出します
- 僧侶が受け取ったら、袱紗を手元に引き寄せます
◉切手盆がない場合のお布施の渡し方は?
お盆の用意がない場合や、手袱紗(台無しの風呂敷タイプの袱紗)の場合は、袱紗を座布団のようにしてお渡しします。
- 袱紗からお布施を取り出したら、袱紗を右→下→上→左 の順で長方形に畳みます
- 袱紗の上にお布施を乗せてお渡しします
- 渡し方は、切手盆や台付き袱紗の場合と同様です
◉ お布施と菓子折りを一緒にお渡しするなら?
菓子折りと一緒にお布施をお渡しする場合には、菓子折りなどの箱の上に直接お布施を乗せて、一緒に差し出して構いません。
地方やご家庭によっては、方法が異なる場合もありますので、年長者や葬儀社の担当者に聞いてみるといいでしょう。
◉ お布施と一途にお車代や御膳料をお渡しする場合には?
お布施の他に、お車代や御膳料をお渡しする場合には、それぞれ別の封筒に入れます。
重ね方はお布施(上)・御膳料・お車代(下)の順で重ね、一緒に差し出してお渡しします。
ポイント
- 御善料:僧侶が葬儀・法事・法要後の会食に参加できないとき
僧侶が会食に参加する場合には不要
僧侶が複数名でお越しになる場合には、ひとつの袋にまとめてお渡しします - お車代(御車料):僧侶を自宅に招いたとき
遺族がタクシーを手配する場合や、僧侶を送迎する場合には不要
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法事法要でのお布施を渡すタイミングは?
お布施を渡すタイミングは、家や会場で行うか、寺院で行うか等の状況によっても異なりますし、寺院のやり方によっても変わります。明確な決まりはありませんが、多くの場合は次のいずれかです。
- 法要前か法要後、僧侶にご挨拶をする機会があるので、その際に渡す
- (お寺での法事・法要の場合)受付で渡す
- 事前にお寺に持参する
地域や家の慣習、寺院との関係によっても異なりますので、年長者や菩提寺に事前に確認しておく方がいいでしょう。
現在は、僧侶と落ち着いて挨拶をしやすいタイミングでもある法要前や方法要後にお渡しすることが多いかと思いますが、ひと昔前までは挨拶や打ち合わせの際など事前にお寺に持参するのが一般的だったそうです。お布施は、僧侶の読経への御礼ではなく、寺院のご本尊に供えるものです。法要を営むにあたり、事前にご本尊様にお供えした上ででお坊さんに読経してもらう、というのが本来の流れとのことです。
法事法要のお布施を渡す際の挨拶は?
お布施を渡す際の挨拶言葉は、いつお布施を渡すのかによっても異なりますが、基本的には感謝の気持ちを伝えることが大切です。
ポイント
◉ 法事法要の前に渡す場合
- 本日は〇〇(故人)の〇〇(葬儀・〇〇回忌など)でお世話になります。どうぞ、よろしくお願いいたします。
◉ 法事法要の後に渡す場合
- 本日は無事、〇〇(葬儀・〇〇回忌など)を執り行うことができました。お心のこもったお勤めをありがとうございました。
- 本日はお勤めありがとうございました。
お礼を申し上げ、前述のようにお渡しします。僧侶が受け取れた際には「お預かりします」といった言葉を返されるかと思いますが、これはお布施は僧侶への礼金や報酬ではなく、寺院のご本尊へ捧げるものであるからです。
さいごに
お布施の渡し方や挨拶には特に決まり事はないとはいえ、丁寧に対応することが大切です。
- お布施はお渡しする袱紗に包み、大切に持ち歩く
- お布施はお盆や袱紗に乗せてお渡しし、直接手渡さない
- 僧侶への謝礼や報酬ではなく 御本尊さまへのお供物 としてお渡しする(預ける)
手順や作法を間違えても、僧侶や寺院の関係者から叱られるようなことや、バチが当たるようなことはありません。親切な親族から厳しいご指摘や、お小言をいただくことはあるかもしれませんが、、、いずれにしても、大切なのは形ではなく、気持ちであることは忘れないようにしたいものですね。