四十九日法要を行う際、お坊さんにお布施を渡しますよね。
これは、何の袋に入れるのでしょうか。
また、お布施の書き方やお札の入れ方は、香典と同じように考えれば良いのでしょうか。
お布施を渡す機会というのは滅多にないので、どうすれば良いのか分からず戸惑うものです。
今回は、お布施の袋の選び方や書き方、お札の入れ方について、香典との違いを踏まえて紛らわしい点を分かりやすくお話しします。
四十九日のお布施の袋はどれが正しいの?
お布施は、中包みに半紙、外袋に奉書紙を使う方法が正式とされてきました。この時の奉書紙の折り方は慶事の方法(つまり、下側の折り目が上を向くのが外側に出ている)になります。
ですが、現在では奉書紙そのものを知らない人も多く、どちらかというと、白無地封筒を使うのが一般的になっています。
この時、どちらの方法であっても水引は掛けません。というのも、お寺に不幸があったという訳ではないからです。
ちなみに、白無地封筒は、郵便物を送る際に使う7桁の郵便番号欄が印刷されているものではなく、下のような、枠等が印刷されていないものを使います。
または、文房具店やスーパー等でも「お布施」「お車代」「御膳料」という文字が印字されているものも販売されていることがあるので、自分で文字を書くのが苦手な場合はそちらの商品を使う方が楽でしょう。
(「お布施」は比較的多くの店で扱われていますが、「お車代」や「御膳料」は品揃えの多い店に行かないと入手が難しいかもしれません。)

ただ、地域によっては、水引が掛けられた不祝儀袋を使う風習があります。
よくあるのが、双銀や白黒の水引で、関西の場合は黄色と白色の水引。どちらにせよ「結び切り」でなければなりません。

ですが、住んでいる地域でお布施に水引を使う風習があるのか分からない場合は、水引のない白無地封筒にすべきです。
ちなみに、法要の際には、お布施以外にお車代や御膳料を渡すことがありますが、この場合もお布施と同様に白無地封筒を使います。
四十九日のお布施の書き方は?
お布施を書く際に使う道具は筆や筆ペンが一般的ですが、その色は薄墨ではなく、黒色にするのがポイントです。
【表書き】
表書きとして、上に「御布施」と書きます(印字されている場合は不要)。
また、その下側に「名前」を書くのですが、以下のように2通りの書き方があります。
- 施主の苗字と「家」を書く→(例)鈴木家
- 施主の氏名をフルネームで書く→(例)鈴木太郎
これはどちらでも問題ありません。
~お布施でなく読経料じゃ駄目なの?~
お布施は「通夜や葬儀、法事の際に読経をしてもらったお坊さんにお礼として渡すお金」というイメージですよね。でも、お布施の本来の意味は「お礼」ではなく、受け取った坊さんが「お寺の御本尊にお供えする金品」です。そのため、「読経料」という書き方はせず、「御布施」になります。
【住所は?】
住所は、書かなくてもマナー上の問題はありません。(この辺が、香典と異なるのでご注意ください。)
ただ、名前記入の際にフルネームでなく「○○家」と書いた場合には、念のため、住所や氏名をきちんと書いた方が良いという見解もあります。ですから、最初から表面に「御布施」と「フルネーム」を書いておく方が間違いないでしょう。
※住所と氏名(フルネーム)を書く場合の位置は、裏面 の左側半分になります。また、中袋がある場合は、中袋の裏面の左側半分になります。
【金額は?】
金額については住所と同様で、書かなくてもマナー上での問題はありません。
【お寺の都合とマナーの違い】
ただ、以前、お寺の知人に訊いたところ、「税務会計管理を行う上で記録をつける必要があるから、可能であれば住所や金額は書いてくれると手間がかからないんだよね・・・」という話を聞いたことがあります。全てのお寺でそうとは限りませんが、書いておく方が丁寧でしょう。
もし金額を書く場合の位置は、次の2つのどちらかにします(縦書き)。
- 裏面の「住所・氏名」の右側
- 中袋の表面の真ん中
その際、「金五萬円」というように、最初に「金」と書くのを忘れずに。また、旧字体の漢字を使いましょう。
【市販袋に住所欄等が印字されている場合は?】
市販袋で「御布施」の文字が入っている場合は、他にも住所・氏名・金額などを書く欄まで印字されていることもあります。この場合には印字に従って記入しても良いでしょう。
金額が横書き仕様の場合は、素直にそれに従ってアラビア数字で書いて大丈夫です。
四十九日法要でお車代・御膳料の書き方は?
お車代や御膳料については、お布施と一緒にお寺に手渡すため、氏名や金額については書きません。ですから、袋に書くのは「お車代」「御膳料」という文字だけです(表側の上)。
四十九日のお布施の入れ方は?
お布施に入れるお札は、新札を用意します。ただ、葬儀の場合は新札を用意できないケースもあるため、「なるべくきれいなお札」を用意する、という程度の心がけで問題ありません。
用意したお札は、お札の顏を表向きにして入れます。
お札の上下については、人物が上側になるように入れると書いてあるサイトが多いのですが、特にマナー上の指定はないので、大きな金額の文字が上側になる向きも、間違いではありません。
さいごに
お布施の書き方や入れ方は香典と違って覚えにくいなあ、と感じる人が多いでしょう。
まあ、滅多にないことなので、無理に覚えなくても社会人として未熟、なんてことはありません。その都度ネットで確認しても大丈夫ですよ。
ただ、1つだけ覚えておくと良いことがあります。
それは、お布施は「お寺の御本尊へのお供え」なので、堂々とお供え(表向きに)するものということです。これを理解できると、弔事である葬儀であってもお寺へのお布施のお札は表向きだと納得できますし、袋の選び方で水引をつけないのも分かりますよね。今回の法要が終わっても、また後日法要を行うかもしれませんし、なんとなく、お布施ってお供えなんだなあ、と頭の隅に置いておくと次の機会がラクに思えるようになりますよ。