通常、お歳暮やお中元を頂いた場合はお返しが不要とされていますが、普段こちらがお世話になっている相手から頂いた場合はお返しした方が良いケースもありますよね。
今回は、お返しをする場合に贈る時期をいつ頃にするか、表書きで気をつけるべきことや、お断りしたい場合の方法とお礼状文例についてお話しします。
お歳暮のお返し適切な時期と表書きは?
お返しの意味を込めて贈る場合、一般的には同額程度の品物を返すと言われています。
ですが、同額以上の高価な物をお返ししてしまうと「今後お歳暮は結構です」という意味になるので、いただいた額よりも少し安い物にする方が無難です。
お返しを贈る場合、いただいて直ぐに贈り返すのも失礼なので10日から1ヶ月程度経過した時点で贈るのですが、これだとお歳暮の時期に間に合わないケースが多くなります。
その場合、表書きは「お歳暮」でなく「御年賀」(1月7日まで)や「寒中御見舞」「寒中お伺い」(1月8日以降)などになります。
お返しをする場合に注意すべきこと
後でお返しをするからといって、頂いたお歳暮のお礼状を書かないのはNGです。
年賀状を送る際に「お歳暮ありがとうございました」とお礼をするのも遅いのでNGです。
後でお返しを贈るにせよ、いただいたお歳暮へのお礼は届いたら3日以内に送ることは大切なのです。
こちらの記事を参考にお礼状を送っておきましょう。
お歳暮をお断りする3つの方法
お歳暮をいただいたけど、想定外の相手だったし今後はお断りしたい場合は次の3つの方法があります。
(1)お歳暮を受け取り、お礼状に今後辞退の旨を添える
「このようなものをいただいてしまい、大変心苦しく存じます。今後このようなお心遣いは無用にして下さい。」という内容をお礼状に入れましょう。
(2)お歳暮を受け取り、お礼状と一緒にいただいた額よりも高価な品物をお返しとして贈る
いただいた額よりも高価な品を贈るということは、今後辞退することを意味します。
(一般的な常識ですが、この常識を通じない人も時々います・・・)
(3)お歳暮を受け取らずに返送する
【方法1】配達の人に事情を説明して持ち帰ってもらう方法
【方法2】届いたお歳暮の上に別の包装紙で包み、お礼状と一緒に返送する方法。
(万が一開封してしまった場合はきれいに包装し直して、開封したお詫びの内容もお礼状に書いて返送します。)
受け取れない場合でも、相手の気持ちに対してのお礼を丁寧に伝え、会社の取り決めや立場上受け取ると問題があることを説明して角が立たないように辞退します。
「ご厚意は大変有難く存じますが、○○の事情により受け取れず誠に申し訳ございません」
「ご厚意を無にするようで誠に心苦しいのですが、どうかお気を悪くなさいませんように」
等の言葉で、低姿勢でお願いすることが大切です。
お歳暮をお断りする場合の3つの文例
上でお話ししたお断り3つの方法について、お礼状(兼送り状)の文例をご紹介します。
拝啓 師走に入り寒さも本格的になりました。
この度はご丁寧にお心尽くしのお品を頂き、本当に有難うございました。
いつも細やかなお心配りに恐縮いたしております。
ご好意は大変有難く存じますが、今後このようなお気遣いは無用にして下さるよう
季節のご挨拶をご辞退させていただきたくお願いいたします。
厳冬に向かいます折からお体をご自愛下さいますようお祈り申し上げます。
まずは取り急ぎお礼申し上げます。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□敬具
拝啓 年の瀬の、寒気いよいよ厳しい季節となりました。
皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。
平素よりお世話になっているうえに、今回のようなお歳暮をいただき恐縮しております。
本日別便にて心ばかりの品を送らせていただきましたのでご笑納いただければ幸いです。
厳冬に向かいます折からお体をご自愛下さいますようお祈り申し上げます。
略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□敬具
拝啓 師走の候 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度は、お歳暮の品を送り下さいまして、誠に有難うございます。
ご厚意は大変有難く存じますが、弊社では取引先様からの贈答を
辞退させていただいているため受け取れず誠に申し訳ございません。
何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
大変失礼とは存じますが、贈りいただきました品はお気持ちだけ頂き、
別便にてご返送させていただきました。
誠に勝手なことでありますが、あしからずご了解下さい。
略儀ながら、お礼方々お詫び申し上げます。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□敬具
まとめ
今回はお歳暮をお返しする方法、お断りをする方法についてお話ししましたが、お歳暮をいただいた場合は基本的にお返しは不要です。
相手はお返しや、受け取ってもらえないことを想定していない可能性が高いので、いずれにせよ丁寧にお礼状を書くことが大切です。
今回の文例等が参考になれば幸いです。
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