喪中に祭りで神社へ行くのは駄目?町内会の役員手伝いや祝儀は?

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供養のマナー

喪中に祭りで神社へ行くのは駄目?町内会の役員手伝いや祝儀は?

先月初めに夫の父が亡くなったため現在は喪中だけど、今月末に地元の祭りがあり神社に行くはずだったという場合、次のような悩みが生じてきます。

  • 祭りに子供を連れて行っていいか?
  • 班長や組長の場合に役員の手伝いはやるべきか、喪中を理由に辞退すべきか?
  • お神輿が来た時の祝儀は渡していいのか、喪中を理由に遠慮してもらうべきか?

今回は、喪中期間にお祭りがあった場合にどのように考えたら良いのかをまとめました。

喪中期間は祭りで神社へ行くのは駄目?

喪中期間でも、忌中が過ぎれば神社へ行っても問題ありませんし、基本的には祭りに参加しても問題ありません。

喪中期間に神社で祭りがあった場合に一番気になるのが、
「死は穢れであり、神社の鳥居を跨いではいけない」
と言われていることですよね。

だから、多くの人が、次のようなことを考えるようです。

  • 喪中は神社に行ってはいけないから、祭りにも行けない
  • 喪中期間は親と祖父で異なるから、自分は行けないけど子供だけなら問題ない
  • 鳥居をくぐらず脇道、裏道から神社へ行けば大丈夫

でも、これはどれも正しいとは言えません。

そもそも、死は穢れと言いますが、これは汚いから神社に入っては駄目、という意味ではありません。「気枯れ(けがれ)」つまり、「家族が亡くなって気落ちしている(気が枯れている)状態」のことを指すのです。(詳細は喪中のお祝い事に関する考え方の記事をご覧ください。)

そして、神社に行けない期間というのは、喪中ではなく「忌中」であり、その期間は神社の場合は最長で50日(仏教では49日)とされています。ですから、喪中であっても忌中が過ぎれば全く問題ないのです。

また、「鳥居をくぐらず神社に入れば」というのは単なる「こじつけ」であり、喪中に鳥居をくぐらないから神域を侵すものではない、ということではありません。鳥居というのは「神域と人間の境界」であり、神社の門を意味するのですが、神社でお参りする際のマナーでは、神社に入る前に鳥居で浅く(15度の角度で)一礼してから鳥居をくぐり、拝殿で参拝する(二拝二拍手一拝)という流れになっています。(詳細は初詣の参拝方法や境内でのマナーの記事をご覧ください。)

ですから、神社に入るということは神域に足を踏み入れることに変わりないので、鳥居をくぐるか否かの問題ではないのですよね。そして、鳥居をくぐるのがマナーなのですから、脇道を入るというのは邪道でしかないのです。

ということで最初の話に戻りますが、忌中が過ぎれば祭りに参加できるのですが、では、忌中期間がどのくらいかというと、父母の場合で50日間祖父母の場合で30日間となります。

ただ、忌中の場合でも祭りに行く必要があれば、神社でお祓いをしてもらえば問題ありません。どうしても理由があれば、このような方法があるので覚えておくと良いでしょう。


喪中の祭りで役員の手伝いはどうする?

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町内会では班長や組長などの役員は1年毎の交代制ですから数年間に1回当たりますよね。ですから、偶々役員をやっている年に喪中になる可能性があります。その場合は、祭りの手伝いについて次の2通りの考え方があります。

  1. 喪中を理由に辞退する
  2. 手伝いの仕事は大切なので喪中を気にせず参加する

ですが、どちらの考え方にせよ、非難してくる人がいる可能性があるので注意しなければなりません。

というのも、(1)の場合は、喪中は手伝いをサボりたい口実だと思われるからです。

そして、(2)の場合は、喪中に神事に関わって穢れを祭りに持ち込んで祟りがあるかもしれないと思われたり、実際に何か事故があったら、喪中の人が参加したせいだと言われる可能性があるからです。

本当に、近所付き合いって難しいですよね。喪中で祭りに参加することについては、最初にお話ししたように、穢れは汚いものではないし、喪中と忌中は別なので問題ないのですが、勘違いしている人も多いし、地域によって考え方が全く異なります。

ですから、町内会長や運営に携わっている役員、神社の神主さんなどに最初に相談することが大切です。神主さんに相談すれば、お祓いをしてもらえますし、きちんとした手順を踏めば参加しても問題ありません。

また、自分達の役員としての仕事だけでなく子供達のことも同様に考えましょう。

子供の場合も祭り囃子に参加したり舞の奉納などで参加する場合は、決まった役割があるから喪中で不参加というのは難しいですよね。また、子供達にしても折角練習を頑張ってきたのに、という思いがあるでしょう。この場合は、家族が亡くなって間もない忌中であれば、神社でお祓いをしてもらってから参加すれば大丈夫です。

また、喪中の祭りへの参加については、故人が同居だったか別居だったかで近所の人の反応が変わるかもしれません。同居だったら近所の人も葬儀へ参列してくれた人もいるでしょうから、喪中を理由に参加か不参加を決めやすいのですが、別居の場合は「喪中だから」と言っても近所の人は知らないことが多いですし、それで不参加、というのはサボりと思われる可能性が高いです。

喪中の祭りでお神輿の祝儀はどうする?

祭りではお神輿が家に来て祝儀を渡すというケースがあります。
ですが、喪中の場合は「祝儀」という名目では渡さないので、祝儀袋でなく無地の封筒に「御礼」「謹謝」等の表書きにして渡すことになります。
(喪中でなければお神輿への祝儀は蝶結びの熨斗袋を使い、表書きは「御花」「花代」「御祝儀」等になります。また、祭りの詰め所への祝儀の表書きは「金一封」「御祝儀」「御寄付」です。)

喪中だからお神輿は・・・と考える人がいるかもしれませんが、故人がお祭りが大好きで積極的に参加していた、というような場合は、祭りに参加して盛り上げることが供養になる、という考え方もあるので、何が何でも喪中だから駄目、ということではありません。

ただ、やはり喪中だから家に来てほしくないと考える人もいますよね。その場合は、事前に町内会に連絡しておけば問題ありませんし、半紙で書いた「喪中」の張り紙を祭り当日にドアに貼っておけば家に来ないで通り過ぎてもらえます。1年過ぎても気持ちが晴れない場合は、「当分の間、気持ちが落ち着かないのでお神輿は遠慮させてください」と町内会に伝えましょう。

喪中というのは本来決まった日数があるのでなく、「悲しみを癒す期間」であり、悲しみが癒えた時点で喪が明けることになります。法律では父母の場合は13ヶ月、祖父母の場合は父方で150日、母方で90日、という決まりがありますが、これは単なる目安であり、本来の意味を考えれば、それより短くても、長くても問題ないのです。

さいごに

神社でNGなのは忌中のお祝い事であり、何が何でも神社に入ってはいけないものではありません。ですから、基本的には忌中を終えたら祭り参加はOKですし、忌中であってもお祓いをすることで可能になります。

とはいえ、地域によって喪中の祭り参加への温度差はかなりあるため、自分の考えだけで判断してしまうと周囲に誤解を与えかねません。まずは、町内会の役員や神社などに相談して、自分の地域の町内会の考え方はどうなのかを知ることが大切なのです。

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