家族が亡くなると数年毎に法要を行いますが、丸1年後の場合は一周忌、一回忌どちらの言い方が正しいのでしょうか。また、周忌と回忌はどんな点で違い、使い分けるのでしょうか。
今回は、法要における周忌と回忌の意味や、年数計算に迷った時の数え方をお話しします。
周忌と回忌の意味と違い
周忌と回忌には「周」と「回」という「まわる」を意味する漢字が使われています。
両方とも「まわる」という意味は共通しているのですが、使い方は次の点で違います。
回忌→数え年と同じ数え方。
周忌→満年齢と同じ数え方。
では、一周忌と一回忌のどちらが正しいでしょうか。
法要で一周忌と一回忌どっちが正解?
家族が亡くなって1年経過した日(祥月命日)の法要は「一周忌」と呼びます。
では「一回忌」は?と考えると、実は、一回忌は「第1回目のお勤め」の意味であり、葬儀におけるお勤めを指すのです。
つまり、
葬儀のお勤め →一回忌
翌年のお勤め →二回忌(=一周忌)
翌々年のお勤め→三回忌
一周忌は言うなれば「二回忌」となるのです。
現代と異なり昔の日本は何事も数え年の考え方だったため、年忌法要の計算も数え年を使っていました。
ですから基本的に「回忌」を使うのですが、一周忌だけは二回忌の「二」を避けることもあり、周忌で表したのです。そして、それ以降の年忌法要は三十三回忌までは一の位が3と7を交互に行うため、次のようになります。
七回忌 →丸6年
十三回忌 →丸12年
十七回忌 →丸16年
二十三回忌→丸22年
二十七回忌→丸26年
三十三回忌→丸32年
五十回忌 →丸49年
百回忌 →丸99年
一応百回忌まで書きましたが、現代ではここまで長くやる家庭は非常に少なく、せいぜい長くても三十三回忌で弔い上げを行ったり、十三回忌程度でも十分ではないかという考えの人も多くなっている傾向があります。
基本的に、法要というのは「いつまでやらなければならない」という決まりはなく自由なのです。
そして、年数が経過すればするほど家族や来てもらう親族の足腰も弱るし、家族がいつまで供養したいか、という気持ちとの折り合いで法要をいつまで行うか判断していくことになるでしょう。
回忌の簡単な数え方は?
法事における回忌計算方法としては、数え年の考え方ですから
「西暦に年忌の数を足して1引く」
という方法で求めることができます。
(例)2016年に亡くなった場合で13回忌がいつか知りたい場合
2016+13-1=2028年
となります。
また、数え年の考え方は年忌法要だけではなく、初七日から四十九日までの日数計算も同じで、亡くなった日を「一日目」と数える方法になります。ただ、関西地方では死亡前日から数えるところもあります。
さいごに
法要において「周忌」を使うのは丸1年経った一周忌だけで、その後は「回忌」を使っていきます。
法要は基本的に数え年の考え方で計算していくため、「西暦+年忌の数-1」と覚えておきましょう。
◆法事の日程と命日の関係で悩んだら、こちらの記事が参考になりますよ。
→初盆と一周忌が近い場合一緒で良いの?別々ならどちらが優先?
◆法事に関する記事はこちらにもあります。
→一周忌の香典の相場は?書き方や入れ方は?新札は駄目なの?
→法事と法要の違いは?施主がやるべき準備と当日の流れは?
→法事欠席時の返信ハガキの書き方は?香典の金額とお詫び文例