初盆と一周忌が近い場合、一緒にして良いのでしょうか。
それとも別々にすべきでしょうか。
別々に行う場合はどちらを先にすべきでしょうか。
今回は、初盆と一周忌が近い場合の考え方やお布施相場、どちらの供養を優先すべきかなどをお話しします。
◆初盆と四十九日の場合はこちらの記事をご覧ください。
→四十九日と初盆が重なる場合は一緒に今年する?来年に持ち越しは?
初盆と一周忌が近い場合はどうする?
新盆と一周忌が近い場合は別々に法要を行う方が良い、というのが一般的な考え方です。
何故かというと、新盆は先祖全員を供養する盂蘭盆会の一環であり、一周忌は故人だけの法要なので供養する対象霊が違うからです。
ただ、施主やその家族、招待する親戚等の日程や金銭面での都合を考えると2回行うのは結構負担になってしまうこともあることから、新盆と一周忌を一緒に行うというケースもあります。この場合、お寺に相談して問題ないと言われたら大丈夫です。
初盆と一周忌を一緒に行う場合は?
初盆と一周忌を一緒に行うことを考えた場合、当然お盆の時期ですからお寺は非常に忙しいです。そのため、希望の時期だとお断りされる可能性もありますし、時期を前倒しか後ろ倒しする必要があるかもしれません。ですから、出来るだけ早めにお寺に相談した方が良いですね。
ちなみに、「回忌法要は、命日か、それより前に行うのが望ましい」というのが常識として広まっているのですが、我が家の菩提寺のお坊さんに聞いたところ、実際は命日より多少後に回忌法要を行っても問題ないとのことでした。遅くなってはいけないのは、初七日から四十九日法要までの期間だけなのです。
なぜこの違いがあるかというと、初七日から七七日(四十九日)の法要を営む目的は、故人が成仏して極楽浄土へ行くための供養であり、7日毎にきっちり審判が下るからです。もし供養が遅れた場合は既に終わってしまったため、意味がなくなってしまうのです。
一方、回忌法要については既に成仏していることから何日までに供養をしなければならない、という時間の枠がありません。
ですから回忌法要は命日という日付にこだわらずにいても大丈夫なのですが、命日までという縛りがないと、いつまで経ってもやらないし、忘れてしまう可能性もあります。また、命日よりも後に行うと周囲人から「忘れていたのではないの?」と誤解される可能性もあります。ですから、仏事を大事にする姿勢を忘れずに、という意味で命日までに行うという見解が広まっているのかもしれません。
ですが、本当に大切なのは「いつ行うか」という日取りの問題でなく、「故人を供養する心」なのです。
初盆と一周忌を一緒の場合のお布施は?
新盆と一周忌の相場は
- お布施(一周忌)→3万円か5万円
- お布施(初盆) →1万円
というのが一般的といわれていて、初盆と一周忌を同時に行う場合は両方のお布施を支払うことになります。また、午前中に行うのであればご膳料5千円程度が必要ですし(午後なら不要)、お寺でなく自宅で行う場合はお車代5千円程度も必要になってきます(お寺で行うのであれば不要)。その他、卒塔婆代や花、ローソク代等がかかることもあります。
ただ、実際には地域や宗派、お寺によって金額にバラツキがあるため、お寺と相談して日程調整する時点で費用についても確認しておく方が良いでしょう。
初盆と一周忌を別々に行う場合どちらを優先すべき?
お寺によってはお坊さんの数が少なかったり檀家が多かったりして、お盆の時期に一周忌を同時に行うことが難しいというケースもあります。その場合は別々に行わなければなりませんが、招待する方々が遠方の場合などは2回来ていただくのは申し訳ない、という人もいますよね。その場合、どちらを優先すべきか考えてみたら如何でしょうか。
優先度からいうと、一周忌の方が重要です。
ですから、初盆は身内だけで簡素に行って、一周忌に遠方の親戚等を招待するという方法もあります。
さいごに
初盆と一周忌が近い場合、一緒にやるか別々にやるかを迷うかもしれませんが、「どちらでも問題ない」というのが回答の1つです。ただ、一緒にやると親戚などに「死者を軽んじている」と言われたり、別々にやると来ていただく方の日程や金銭面での負担も増える可能性が高いです。ですから、迷うことについては最初にお寺に相談することが大切です。
また、別々に行う場合にどちらが先か、優先すべきかなど悩むのですが、2つを比べると一周忌の方が重要な法要です。実際に来ていただく方々の負担を考えると夏の暑い中に2回行うのは大変ですから、無理せず済むよう早めにお寺に相談した方が良いでしょう。