6月下旬に亡くなると四十九日法要は8月中旬。でもその時期はお盆期間で初盆供養と重なります。この場合、四十九日と初盆供養(新盆法要)は一緒に行うものでしょうか、それとも別にするのでしょうか。
お盆と四十九日の時期が重なると、どうすればいいのか悩ましいですよね。対応方法は大きく4つあります。
- お葬式の際に繰り上げ法要を行う
- 四十九日法要と初盆(新盆)は別々に行う
- 四十九日法要と初盆(新盆)を一緒に行う
- そもそも初盆(新盆)は来年
今回は、初盆(新盆)と四十九日が近い場合にどうすべきかをまとめました。
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四十九日法要が大切な理由
人が亡くなると、四十九日間は霊としてこの世とあの世を彷徨いながら、新しい生へと生まれ変わる準備をしていると言われています。この期間に、残された家族が冥福を祈ることで功徳を積み、最終的に四十九日法要を営むことで、仏として極楽浄土へと旅立つことが出来るとされています。
故人にとっても、遺族にとっても特別な日なのです。そのため、二七日〜六七日法要は省略しても、七七日の四十九日法要では親族も集めて供養を行うのです。
故人が無事に極楽浄土へ旅立つと、供養にも一区切りがつき遺族も忌明けとなります。
初盆(新盆)とはいつのこと?
初盆(新盆)とは、故人の霊が初めて戻るお盆のことですが、四十九日の後になります。
そもそもで今年初盆(新盆)を迎えるの?
お盆の前に四十九日を迎えれば初盆(新盆)は今年、お盆の後に四十九日を迎える場合には初盆(新盆)は翌年と考えるのが一般的です。
ややこしいことに、お盆の時期は地方や家によって異なりますし、命日の数え方は地方や宗派によっても異なります。菩提寺に確認する必要がありますが、基準としては下記のように考えられます。
- 7月盆の場合:命日が5月26日以降は初盆(新盆)は翌年
- 8月盆の場合:命日が6月26日以降は初盆(新盆)は翌年
命日が6月25日であれば、四十九日は8月12日。8月お盆の場合には今年が初盆(新盆)を迎えます。
お盆期間直前に法要の準備をすることは、遺族にとって時間的体力的経済的にも大きな負担となり、お寺も忙しい時期であるため、お盆直前に四十九日法要を行うことは難しいのが現実です。
四十九日と初盆(新盆)が近い(重なる)場合はどうするの?
法事法要は、先送りにせず前倒しにするのが基本です。先送りがNGなわけではありませんが、先送りにすることは故人をないがしろにするとの考え方もあるようで、前倒しの方が不要なトラブルの原因になりにくくなります。
繰り上げ法要+初盆(新盆)
お葬式と同日に四十九日の繰り上げ法要を行い、お盆期間に初盆法要(新盆法要)を行います。
以前は、初七日の法要を繰り上げ法要で葬儀当日に行い、二七日〜六七日法要は省略、七七日(四十九日)法要を遺族や親族で執り行うことが一般的でした。もちろん、家や地方、宗派や、菩提寺との関係によっても異なりますが、、
最近では、社会生活の変化もあり、四十九日法要までを、お葬式と同日に執り行う繰り上げ法要も増えています。四十九日法要は済んでいるわけですから、新盆と重なったどうする??など慌てること必要がなくなります。
ただ、繰り上げ法要の場合には、お葬式の前に菩提寺と確認しお願いする必要があります。身内を亡くした悲しみと、葬儀の慌しさの中で判断となりますので、それはそれで結構大変です。
繰り上げ法要の場合には、お車代や御膳料は別途かかりませんが、お布施は法要分も含めてお包みします。四十九日法要のお布施の相場は3万〜5万と言われていますが、菩提寺に確認してみるといいでしょう。
四十九日法要を前倒し+新盆
先述の通り、法事法要で日程調整が必要の場合には、前倒しが基本です。四十九日がお盆期間に近い場合には、前倒しをし執り行う方法があります。前倒しの期間にルールはありませんが、1週間程度早めるのが一般的なようです。
7月下旬などに前倒しして四十九日法要を行い、初盆(新盆)を迎えます。
四十九日法要と新盆法要(初盆法要)を一緒に行う場合
四十九日法要と初盆法要(新盆法要)を一緒に行うという選択肢もあります。しかし、この場合には、少し面倒になる可能性があります。
- 四十九日法要を先延ばしするのは故人を軽んじている
- 供養を一緒にするのは故人を軽んじている
このような考え方をする人や、地域慣習があるからです。不要なトラブルや不快な思いを避けるためには、日程調整をする方が無難かもしれませんね。
お布施やお車料、ご膳料などは四十九日法要だけでなく初盆法要(新盆法要)のお布施も考慮しお包みします。
お車料やご膳料はそれぞれ5千〜1万円程度、お布施については四十九日法要で3万〜5万円、初盆(新盆)で1万〜3万円程度が平均的とも言われていますが、実際には宗派やお寺によって様々ですから、菩提寺に相談する方が良いでしょう。
初盆(新盆)は来年なら今年のお盆はどうする?
四十九日前にお盆期間となると、初盆(新盆)を迎えるのは来年です。お盆は、過去に亡くなった先祖代々の霊が家に帰ってくる期間です。四十九日を迎える前の故人の魂とはまた別の話ですから、例年通りのお盆行事を行って大丈夫ですよ。
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さいごに
四十九日法要や初盆供養などの法要は菩提寺にお願いして行うものです。お寺もお盆の時期は忙しい時期ですので、家族のスケジュールを確認した上で、早めに相談するのが一番です。
家や地方慣習、宗派、菩提寺との関係によっても、異なります。最近はマナーやルールと呼ばれるものが激増し、「〜しなければならない」「〜してはいけない」 と言い切る方も多いようです。また、そういった情報を鵜呑みにしたり、「昔から〜だ」という根拠のない主張をされる方もいるかもしれません。でも、お寺の事情を話し、確認してみると、そうでもないことは多々あります。
故人を供養するのは残された家族が中心ですし、家族の置かれた状況も様々です。大切なのは故人を偲ぶ気持ちです。謎のルールに振り回される前に、菩提寺ともよく相談し、心にゆとりを持って丁寧に供養にはどうするかを決めると良いでしょう。
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