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施餓鬼(せがき)の意味 お布施の相場と表書きは?どんな服装にすれば良いの?

お盆の時期になると、お寺から施餓鬼会法要の案内が来る家庭もありますよね。
この施餓鬼の意味をご存知ですか。誰がいつどこで何をする行事なのでしょうか。

今回は、施餓鬼がどんなものか、お布施の相場や表書きとお寺への渡し方、どのような服装にすべきかなどをお話しします。

施餓鬼(せがき)の意味は?何をする行事なの?

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施餓鬼の「餓鬼」は飢えに苦しんでいたり、身寄りがなくこの世に彷徨っている霊です。
施餓鬼は、自分の先祖供養だけでなく、このような餓鬼の供養を行って徳を積むことで、自分にも救いがあるとされています。

そもそも施餓鬼が行われるようになった由来は、お釈迦様の仏話が元とされており、次のような内容です。
昔、釈迦の弟子の阿難(あなん)が修行をしていたところ口から火を吐く餓鬼が現れ、「お前の寿命はあと3日だ。助かりたいなら沢山いる餓鬼や婆羅門、仙人1人1人に食べ物を施すように」と言われたのですが、そんなに沢山施すなんて出来ない、と考えてどうしたら良いのか釈迦に相談したところ、「呪文を唱えて施しをするように」と教わりました。そして、阿難は3日間餓鬼供養を行うことで寿命を延ばすことができて、その後も釈迦にお仕えし続けたということです。

施餓鬼を具体的にどのように行うかは地域や宗派により異なりますが、お寺で永代供養や初盆供養、塔婆回向を行うのが一般的です。行う時期はお盆が多いのですが、年に2回のお彼岸に行ったり、過ごしやすい気候の時期に行うこともあります。行う場所はお寺で行う他に、お坊さんが檀家廻りをしてお施餓鬼を行うこともあります。

盂蘭盆会と施餓鬼の違いについて

ところでお盆の時期には、お寺で盂蘭盆会の法要が行われます。また、お坊さんが檀家を一軒ずつ訪ねてお経をあげるのですが、これを「棚経」といいます。新盆の場合、これとは別にお坊さんを家へ招いて新盆供養として読経してもらいます。

盂蘭盆会と施餓鬼、共にお寺でも家でも行うことがあるので似ていますよね。そして、餓鬼の由来も似ています。
ですが、元々の由来が異なるので本来は別物なのですが、施餓鬼はお盆の時期とは限らず、いつでも行って良いものであり、盂蘭盆会はお盆の時期限定のものです。ただ、似ていることから一緒に行うことが多いというだけです。

なお、浄土真宗系では死者は全て極楽往生していると考えられているため施餓鬼会を行いません。曹洞宗では施す者と施される者の関係に身分差別があってはならないという考え方のため、「施餓鬼」でなく「施食会(せじきえ)」と呼びます。


施餓鬼のお布施の相場は?どのように持参すべき?

お布施の相場

お布施は3000~10000円程度が一般的ですが、地域性もあるし、寺によって相場が異なり1万円以上のこともあります。お寺から施餓鬼法要の案内が届いたら、施餓鬼料なども記載されていることもあるので、それに従いましょう。
卒塔婆をお願いする場合は、塔婆料(3000円~10000円程度)を包むことが多いです。また、お供え物を用意することもあります。

施餓鬼はどのように持参すべき?表書きは?

お寺で指定がなければ、熨斗袋(金封)に包んで持参します。この場合の表書きは「御布施」です。
寺によっては専用の封筒が用意してあって、それに入れるというケースもありますし、行事毎にお布施の名称が決まっているケースもあります。例えば、施餓鬼の場合は「施餓鬼料」「特別施餓鬼料」「施餓鬼供養料」等とすることもあります。また、大規模な施餓鬼会で参加者も多い場合は、熨斗袋に入れずに参加費のように、裸のまま受付で支払うケースもあります。
どんな形で支払うかが分からない場合は、熨斗袋を購入して御布施として持参するのが無難でしょう。

その他、お供え物を行う場合の表書きは「御供」です。


施餓鬼会の服装は喪服にすべき?

お寺で行う施餓鬼会の場合

施餓鬼会に着ていく服装は、お寺によって異なりますが、施餓鬼会がそもそもお寺の年中行事なので、改まって略礼服を(サマーフォーマル)を着なくても問題ないという傾向があります。特に、お盆の時期の施餓鬼会だと夏の最も暑い時期なので、平服や地味な普段着(木綿の白、グレー、黒などのシャツやブラウス等)で参加する人も多いようです。

家で行う施餓鬼会の場合

家で行う場合はお坊さんやお客を招くこともあり、マナーの点から見ると、施主だけは略礼服にしておくのが無難でしょう。その他の人はお寺で行う場合と同様に、平服や地味な普段着で問題ありません。

ただ、服装についても地方やお寺、宗派によって様々な考え方が異なるため、周囲に合わせるのが正しいですし、もし分からなくて心配な場合は事前にお寺に問い合わせした方が良いでしょう。

さいごに

施餓鬼会は平服や普段着でも大丈夫なお寺が多いのですが、供養の際に数珠は必要ですから、忘れずに持参して下さいね。

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