子供のピアノの先生のお父様が5月に亡くなった場合、お中元の時期は相手が喪中になりますが、お中元を贈っても大丈夫でしょうか。
また、熨斗や品物を選ぶ際に注意すべきマナーはあるのでしょうか。
今回は、お中元で相手が喪中の場合に贈っても良いのか、贈る場合のマナーについてまとめました。
お中元で相手が喪中の場合に贈っていいの?
喪中の場合、年賀状は出しませんが、お中元やお歳暮は贈っても問題ありません。
というのも、お中元やお歳暮は日頃お世話になっている感謝の気持ちを込めて贈るものであり、「故人を偲んで人付き合いを避けるべき」とされる喪中とは次元が異なるからです。
ただ、四十九日が過ぎるまでは忌中に当たるため一般的には避けるものとされています。
この期間は遺族が落ち着かないというのも理由の1つですが、それとは別に、何か物を贈ると「故人への香典」という解釈になる可能性もあるからです。
そして、四十九日明けにお中元を贈るようにしましょう。
ただ、お中元は地方によって時期が異なり、おおよその目安は次のようになっています。(近年は若干下記より早くなる傾向もあります。)
北海道 →7月15日〜8月15日
東北・関東→7月1日〜7月15日(但し、近年は6月下旬から贈る傾向がある。)
北陸 →関東と同じ時期の地域と、関西と同じ時期の地域の2通りがある。
東海、関西、四国、九州→7月15日〜8月15日(但し、近年は時期の早い関東の影響を受けて7月中旬までに贈る人も増えている。)
どの地域でも時期が早まっているのですが、これはデパートのお中元商戦の影響があるかもしれませんね。
さて、話を元に戻しますが、お中元を喪中の方の四十九日明けに贈るとなると、上記のお中元時期を逃す可能性もあります。 その場合、無理にお中元とせず、時期に合わせて次のようにしましょう。
7月15日~立秋 →関東や東北の場合「暑中御見舞」、北海道、東海、関西、九州等の場合「お中元」
立秋~9月上旬 →「残暑御見舞」
ちなみに、お歳暮の時期に喪中だったら、次のようになります。
松の内明け~立春 →「寒中御見舞」
立春以降 →「余寒御見舞」
お中元で相手が喪中の場合の熨斗はどうする?
通常のお中元やお歳暮であれば、熨斗は紅白水引なのですが、紅白だとお祝い事用の熨斗になってしまい、喪中の方への贈答品には相応しくありません。かといって、白黒水引もいけません。
この場合は、白無地の奉書紙か、略式短冊のしを使います。
お中元で相手が喪中だと品物選び等のマナーは?
四十九日明けとはいえ、今年ご家族が亡くなった場合は、まだ悲しんでいらっしゃるのだろうか、等とあれこれ考えて、どんな品物を選んだら良いのか、相手に手渡したり贈る際の送付状にも何か励ましの言葉が必要だろうか、と悩む人もいますよね。
確かに、元々、お中元というのは昔の中国の道教の風習で、お盆に先祖供養をして、お世話になっている人へも贈り物をした、というのが由来でした。
ただ、これが日本に伝わってきてお盆とは切り離されて「お世話になっている人への贈り物」という意味になっている現在では、線香や花などの仏前に捧げるような供物は避けて、純粋に、贈答品として「相手が貰って嬉しい物」はどんな物が良いのだろうか、と考えて選ぶことが大切です。
また、送付状を書く場合についても、あまり「喪中」を意識せず、お中元なので「日頃の感謝の気持ち」を伝えることに注力しましょう。逆に変に気遣う方が、相手に悲しみを振り返らせることになりかねないのでご注意ください。
まとめ
お中元で相手が喪中の場合、四十九日明けに贈れば問題ありません。
その際、時期によっては熨斗の表書きが「暑中御見舞」や「残暑御見舞」になることをご注意くださいね。
◆お中元に関する記事はこちらにもあります。
→お中元は結婚後に親に贈るべき?のし 送り状はどう書けば良いの?
→お中元の渡し方自然な手渡しは?どんな言葉が良い?紙袋はどうする?