喪中だけど【神社】で初詣や厄払いをしたい場合は?お札お守り返すのは?

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供養のマナー

喪中だけど神社で初詣や厄払いをしたい場合は?お札お守り返すのは?

喪中(もちゅう)の場合は神社へのお参りはいけないと言われているため初詣や厄払い、七五三、安産祈願や合格祈願などをどうすれば良いのか悩みますよね。

また、毎年いただいているお札やお守りの扱いも困りますよね。

今回は、喪中における神社との関わりについてどのようにすれば良いのかをお話しします。

喪中に神社の初詣は駄目?したい場合はどうする?

 

喪中の場合は神社に関することでは色々な禁止事項があるといわれています。

・喪中の1年間は神社に行ってはいけない
・鳥居をくぐってはいけない
・賽銭するのもいけない(神社に入れないから)
・厄払いや七五三、お宮参り、安産祈願、合格祈願もいけない

でも実は、これらの多くは嘘なのです。
昭和30年以降様々なマナー説が出て喪中に関しても間違った解釈が広まったのが原因です。
まずは、喪中と忌中の基本を理解して、考え方を整理しましょう。

忌中(きちゅう)と喪中(もちゅう)の違いとは?

  • 忌中(きちゅう)・・・遺族が死の穢れ(けがれ)があるといわれる期間。
    昔は他人に穢れが及ばないよう、忌中においては外部との接触を断つべきと考えられていました。
  • 喪中(もちゅう)・・・個人の死を悼み身を慎む期間。

この2つの期間は異なり、現在は忌中が仏教では四十九日、神道では五十日とされています。(それぞれ四十九日法要、五十日祭が区切りとなっています。)

また、喪中期間は1年間というのが一般的な考え方ですが、「絶対に喪に服さなければならない」という決まりごとではありません。 

明治時代の服喪規定では自分との関係が近いほど喪中、忌中ともに長く定められていたのですが今は廃止されています。これを目安に考える方法もありますが、喪中というのはそもそも、喪服を着ている期間のことであり、昔は身内が亡くなると喪が明けるまでは毎日喪服で過ごしたのです。それを考えると、今では葬儀が終わると喪服を脱ぐことになっていますし、喪中は重要視されていないのかもしれませんね。

「死の穢れ」の本当の意味は?

もう1つ補足しておきましょう。
上の「忌中」の定義に「死の穢れ」とあるのですが、実はこの意味を誤解している人が非常に多いのですが、死の穢れ(けがれ)」というのは「汚れ」「汚いもの」ではないのです。
穢れの本当の意味は「気枯れ」であり、「身内が亡くなったため気力が無くなり落ち込んだ状態」のことなのです。

ですので、忌中の本当の意味は、
「身内が亡くなって自分も汚れているから神社に足を踏み入れてはいけない」
のでなく、
「身内が亡くなって自分がものすごく気落ちしているため、その気落ちを周囲に移してはいけない」
という意味なのです。

だから、喪中も忌中も、身内が亡くなり落ち込んでいた自分の気持ちが立ち直り日常生活へ戻れた時点で明けた、といえるのです。

喪中と忌中 神道で重要視されるのはどっち?

実は、神社本庁のHPには、喪中の間の制限はなく、
「忌中(五十日祭まで)は神社参拝を遠慮しますが、やむを得ない場合はお祓いを受けるのが良い」
という内容が記載されています。

神社本庁HP 服忌(ぶっき)について

つまり、喪中であっても、忌中が明けていれば参拝して構わないのです。

ただ、これとは別の決まりを設けている神社もあるため、事前に参拝したい神社に参拝して良いか問い合わせるほうが良いでしょう。

忌中の初詣はどうする?

では、忌中の場合の初詣はどうなるのか?と疑問が出てきますよね。
忌中の初詣については避けた方が良いでしょう。

ただ、どうしても行きたい場合は、お寺の初詣にするのは如何でしょうか。

「穢れ」とされているのは神社だけであり、お寺は忌中でも全く問題ありません。
毎年初詣に行くところが神社か寺かなんて普段は意識しないでしょうけど、神社だと思い込んでいたら実は寺だった、ということもあるのですよ。

初詣で毎年非常に混雑する1つである成田山は、正式には成田山新勝寺といい、真言宗智山派の寺なのです。
また、川崎大師も真言宗智山派の寺です。
ちなみに浅草寺も単立のお寺です。

ただし、「神社は駄目だからお寺に初詣しに行こう」と思っても、初詣で非常に混雑するようなお寺だと、電車の駅を降りて歩いていくと、お寺の周辺も新年のおめでたいムードが溢れてごった返してます。
そのため、喪中で悲しみが深い中でそのようなお祝いムード満載の寺に行くのは気分的にあまり良いものではないかもしれません。
どちらかというと、お寺に行くなら菩提寺にして、ご先祖様のお墓掃除をして「今年も私たちを見守っていてくださいね」と挨拶してくるほうが気分が晴れると思いますよ。

お墓参りは年中、気持ちが向いたときに行って手を合わせて問題ないものです。
ぜひ、初詣に行くかどうかで悩むなら、お墓参りでご先祖様に挨拶して気持ちを切り替えるほうがおすすめです。


喪中で神社の厄払いはできる?

神社の鳥居

初詣などは「忌中だからお参りに行かなくても仕方ないか」で済ませられるでしょうけど、厄年で厄が気になる場合は厄払いができないと心配になりますよね。

初詣と同じように、厄払いも忌中は避けた方が良いのですが、もしどうしてもという場合は次の方法があります。

・お寺で厄払いをする
・忌明けを待って神社で厄払いをする

ただ、神社によっては「厄払いは節分まで」と受付期間があるため、まずはお祓いしたい神社に、いつまで受け付けてくれるかを相談してみましょう。
忌明けが間に合わない場合でどうしても厄払いをしたい場合は、上の「やむを得ない場合は」に該当するとして、受け付けてくれるかもしれません。
昔の規定でいえば、父母の場合は忌中であっても、祖父母の場合は短縮されるため忌明けとなっている、という考え方もありますし。

そもそも、喪中や忌中という期間が設けられた理由として、
「昔の人は仕事をサボるために服喪期間を口実にしたため、それ以上休んではいけない、という意味で作られた」
という説もあるくらいです。(真実なのかは不明ですが。)

現代の人は「服喪期間は何をやってはいけないのだろうか?」と減点方式で考えてしまうのですが、昔の人の発想と逆なのですよね。
なので、喪中だから駄目、忌中だから駄目、とがんじがらめにならずに、
「厄払いを受けたいけど忌中はいつまでだっけ?」
という程度に軽く考えて大丈夫なのですよ。

そもそも、喪中は「悲しみが深い期間」であり、そういう最中には自分のことなんて考える余裕がないくらい塞ぎ込んでいて、厄払いなんて頭に浮かばないものです。
厄払いをどうしよう、という考えが浮かぶ段階になれば喪中を終えても良いのかもしれません。

お寺で厄払いする場合の注意点

もし神社での厄払いが間に合わない場合は別のお寺で受ける方法もありますが、厄払いは神社とお寺では考え方が異なるので注意が必要です。

  • 神社・・・厄を乗り越えていくものであり、大難を小難に、小難を無難に、としていくもの。
  • お寺・・・神仏の力を頼り、厄を切り払ってもらうもの。

どちらが自分にとって合っているか、を考えて選ぶことも大切です。

喪中の場合神社へお札を返すのもいけないの?

喪中で初詣などを控えている場合はお札を返すこともできませんよね。
でも、忌中でなければ詣でても問題ありませんし、忌明けにお参りに行くタイミングでお返しすれば良いでしょう。

また、忌中なので神社を避けてお寺に詣でる場合については、お札やお守りは、神社でいただいたものは神社にお返しし、お寺でいただいたものはお寺にお返しするというルールがあるのでご注意ください。
遠くの神社仏閣でいただいた場合は近くの神社かお寺に。
最低限、神社とお寺に区別をしていれば問題ないところが多いです。
ただ、可能であれば「同じ宗派や同じ守り神の系列」にお返しするのが良いとされています。

喪中の正月飾り しめ縄 破魔矢は?

喪中には門松などの正月飾りはつけません。
ただ、年末に神棚に飾るしめ縄については、神道の五十日祭が過ぎて忌明けになれば、喪中でも交換して構いません。
(忌中は神棚を封じて一切手入れをしないことになっているのでこの間に交換してはいけません。)

ちなみに、しめ縄は毎年年末にしか購入できないため、年末に購入しておくことが必要です。
また、破魔矢も同様で、年末年始しか購入できないので、毎年購入している場合は購入可能な時期に用意しておきましょう。

さいごに

喪中の場合に神社に行ってはいけないと言われていますが、実際には穢れとされているのは忌中であり、1年間絶対に神社に足を踏み入れてはいけない、という意味ではありません。
今回は初詣と厄払いについてお話ししましたが、七五三や安産祈願、合格祈願等も同様に、忌中が明ければ問題ないと考えて大丈夫です。
まずは、参拝したい神社に相談してみましょう。

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