友引には葬式(葬儀・告別式)をしてはいけない、避けるべきとの説もありますが、家族だけで執り行う家族葬でも避けるべきなのでしょうか?
今回は、家族葬の日取りに六曜が重要か、友引は避けるべきか、その際の注意点をご紹介します。
家族葬は友引にしてもいい?
友引に葬儀をすると「友が引かれる」=「友を死後の世界へ引き寄せる」ため避けるべきではないかと言われますが、コレは迷信的なものであり、実際に葬儀を執り行っても問題ありません。
家族葬に友引は関係ない
「友引」は、元々は中国の勝負の世界が原義があり、勝負の決着がつかず共に引いた「共引き」の意味があります。勝負の決着がつかない良くも悪くもないとされる日なのです。
日本で「友引」となったのは、陰陽道の「友引日」と混同されたとも考えられています。陰陽道での「友引日」とは、「ある日ある方向に事を行うと災いが友に及ぶ」(参照:wikipedia)とされる日のこと。いずれにしても、仏教的な意味合いは一切ありません。
仏教とは関わりのないわけですから、友達を呼ぶ、呼ばないに関わらず、家族葬の日取りにもなんの関係もありません。
家族葬ができない理由は火葬場が休業日?
「友引に葬式(葬儀・告別式)をするのは縁起が悪い」というのは、俗説・迷信でありますが、友引を休業日としている火葬場が多くあります。葬儀や告別式をしても、その日に火葬ができないのであれば、葬儀や告別式の日程を変えることになります。
つまり、友引だから葬儀や告別式ができない(しない)のではなく、火葬場が休業日だから葬儀や告別式ができなかった、、、ということなのです。
火葬場が、迷信や俗説を信じて休業しているわけではありません。俗説や迷信を信じている人が一定数いることや、信じてはいないけど面倒は嫌だからなんとなく避ける人がいるため、友引に葬儀を営むことを避けがちになります。葬儀がない日には、基本的に火葬場の利用はありません。つまり、友引は火葬場の利用数が減る日でもあるので、休業日に設定しているだけの話です。
家族葬だからこそ、迷信も俗説も大切?
友引には火葬場都合で家族葬ができないこともあるのですが、もし火葬できるとしても家族葬の場合には、配慮が必要な場合もあります。
家族葬の場合は、その範囲にもよりますが、基本的に故人の家族や近親者のみで営みます。特に故人の配偶者や親が、六曜を気にされる場合には、友引での家族葬は避けた方がいいでしょう。限られた人数で執り行う家族葬です。故人と縁の深い方の気持ちは特に大切にしましょう。
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葬式(通夜・葬儀・告別式)と六曜の関係、注意点は?
六曜とは?
六曜は、鎌倉時代に中国から伝わった暦注(暦に記載される日時や方位などの吉凶、その日の運勢など)が元と伝わります。ただ、中国でも六曜がいつの時代に確立されたのかは不詳。
当時日本には、現代の七曜日にあたるものがありませんでした。旧暦の1ヶ月30日を5つに分け、日を区別するために六曜を使っていました。その名称や解釈、順序は少しずつ変化しています。江戸時代には、根拠のないさまざまな暦注もはやり、信じる人もでてきました。
明治時代に入り旧暦から新暦へ移行する段階で、「吉凶付きの暦は迷信」として政府が禁止したことにより、逆にさらに注目されるようになりました。第二次世界大戦以降、広く普及し現在に至ります。
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六曜の種類別と葬式(通夜・葬儀・告別式)との関係は?
六曜は、冠婚葬祭等の儀式を行う日取りを決める際に吉凶判断として利用されることが多いです。先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種類がありますが、仏教との関連や根拠もないため、葬式(通夜・葬儀・告別式)の日取りで重視すべきものではありません。ただし、信じている人や、縁起を気にする方もいるので、把握しておいてもいいでしょう。
◉ 先勝(せんしょう・さきがち)
先勝は、六曜の中でも吉日にあたります。午前中が吉、午後二時から六時までは凶であるため、勝負事や急ぎごとは午前中がよいとされています。
葬式(通夜・葬儀・告別式)は、勝負事でも、急ぎごとでもありませんので、葬儀に日取りには配慮不要です。
◉ 友引(ともびき)
友引は、そもそも勝負事が引き分けになる日、「共引」です。陰陽道と混同された結果、現在の「友引」で定着し、「親しい友人を故人が道連れにする」と忌み日とされ、現在でも葬儀や告別式の日取りとしては避けられることもあります。しかし、宗教との関連性はありません。
近年は、気にしない方も増え共引きでも葬儀や告別式を執り行うこともありますが、火葬場が休業日のことも多く、そもそもで葬儀や告別式ができないこともあります。
◉ 先負(せんぶ・さきまけ)
先負は、午前が凶、午後が吉。何事も控えめにし平静を保ち、勝負事や急ぎごとは避けた方がよいとされています。
葬式(通夜・葬儀・告別式)は、勝負事でも、急ぎごとでもありませんので、葬儀に日取りには配慮不要です。
◉ 仏滅(ぶつめつ)
仏滅は、六曜の中で最も凶の運勢の悪い日とされています。慶事は避けた方がよいとされますが、弔辞には関係ありません。
◉ 大安
大安は、六曜の中で最も運勢の良い日とされます。あらゆることがつつがなく進められるとされ、祝い事や新しいことを始める日に選ばれやすい日ですが、葬式(通夜・葬儀・告別式)との関連性はありません。
◉ 赤口(しゃっく・しゃっこう)
赤口は、午前11時〜午後1時までが吉、それ以外は凶とされ、慶事には不向きとされています。また、「赤」が血を連想させるため、刃物を持つ仕事の人には注意すべき日とされていますが、葬式(通夜・葬儀・告別式)との関連性はありません。

葬式(通夜・葬儀・告別式)の日取りを決める際、六曜の縁起を気にする必要がありません。そうはいっても、中には縁起を気にする方もいることも理解しておく方がいいでしょう。
一般葬であれば、「菩提寺や葬儀社と相談して問題のない日取りで決めた」と言えば済むかもしれませんが、家族葬の場合には関わる人が限定されるため、家族でよく話し合い、わだかまりを残さない、それぞれが納得した形で行うことが大切です。
宗教ごとの六曜との関係は?
葬式の形は様々ですが、多くの場合宗教が関わってきます。宗教と六曜の関係も確認しておきましょう。
仏式
日本人の葬式の多くは仏式です。仏教と六曜に関係性はありません。特に、浄土真宗では、迷信に惑わされるのはよくないとの教えから、友引を避ける風習を明確に否定しています。
どうしても気になる場合には、菩提寺と相談するといいでしょう。
キリスト教
キリスト教も宗教的には六曜とは無関係です。信仰とは無関係に、地域風習として避けることはあるようです。
神式
神式も主教的には六曜と無関係ですが、地域や生活と密着した祭りごとが行われるため、六曜が意識されることはあるようです。
さいごに
六曜は、迷信・俗説ではありますが、人々に広く根付いていることも確かです。葬儀や告別式の日取りに影響を与えるのは友引だけです。「故人が親友を道連れにする」との解釈から、忌み日とされ避けられてきました。
本来は、宗教と六曜、葬式と六曜は無関係なので、葬儀や告別式を執り行うことになんの問題もありません。最近では、気にしない方も増えてはいますが、年配者を中心に、「友引に葬儀が避けるべき」と考える方も少なくありません。
家族葬の場合には、関係者が限定されます。その中に、お一人でも気にされる方がいるのであれば、友引での家族葬は避け、日取りを調整することをおすすめします。参列する全ての方が納得した形で、故人との最後のお別れができることが、なによりも大切です。
家族が亡くなって葬儀までは、極めて慌ただしく細かなことを丁寧に確認するような時間も精神的余裕もありません。葬儀に関する話題はタブーなようでもありますが、いざというときに慌てたり、後悔することのないよう、健康で元気なうちに相談したり取り決めておくといいでしょう。
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