闘う嫁のマナーノート

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葬儀の間は仏壇を閉じるの?いつまで?曹洞宗で聞いた納得の理由!

   


家族が亡くなった場合、葬儀の前に仏壇を閉じるという話をご存知ですか。

私の実家は日蓮宗なのですが、葬儀を行う際に神棚と仏壇を閉じておく慣習がありました。ですが、嫁ぎ先は曹洞宗。曹洞宗でも仏壇を閉じるのか、閉じるとしたらいつまでか、等の宗派による違いがあるかもしれないと思い、菩提寺のお寺に確認したところ、驚きの事実が判明しました。

今回は、葬儀の際の仏壇について閉じるかどうか等、曹洞宗の菩提寺に聞いたことを含めてお話しします。

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葬儀の間は仏壇を閉じるべきなの?

葬儀を行う場合、その間仏壇の扉をどうするか、については、「閉じる」と「開けたままにする」という真逆の見解があります。
ですが、仏教本来の考え方から言えば、仏壇の扉を閉じる必要はなく、「開けたままにする」が正しいとされています。

でも、私の実家のように仏壇の扉を閉じる家もあるし、葬儀屋さんによっては葬儀を行う家の仏壇の扉を閉めてしまうこともあるようです。
これは、様々な説があるようですが、主な理由としては以下の2つがあります。

(1)神棚との混同

神道では死を穢れと捉えることから、葬儀の際に神の領域へ穢れが入らぬよう忌明け(50日)まで白い半紙で結界を張る慣習だったのを、仏教も同じだと勘違いしたことから広まったのではないかと言われています。

(2)ご本尊に失礼がないようにするため

自宅で葬儀を行う場合、慌ただしいことから、仏壇を開けておくと、
・ご本尊をお参りする暇がない
・ご本尊にお尻を向けて座ってしまう
・自宅での納棺だと狭くて仏壇が作業の邪魔になる

このように、ご本尊に失礼をしてしまう可能性があるため閉じておく、という考え方です。

【その他】仏壇を新規購入した場合
仏壇を新たに購入した場合は、お坊さんに仏壇の開眼供養(魂入れ)をしてもらう必要があり、それまでは扉を開けても意味がないので閉じておきます。

【仏教の死生観について】
仏教には様々な宗派があるため若干違いはありますが、神道と違って死を穢れとは考えないという点では共通しています。そして、功徳を積むことによって亡くなった後に極楽浄土に行ける、とされています。(浄土真宗などでは亡くなったら即成仏という考え方なので若干異なりますが、どちらにしても死は「穢れたもの」ではなく、肉体は滅んでも「尊い魂」として現世の子孫を見守ってくれる、というようなイメージになります。)

また、以前は葬儀の後に「お清めの塩」を撒くのが当然とされていましたが、こちらは神道の考え方からきたものであり、仏教徒であれば死者は穢れた存在ではないため「お清めの塩は不要」ということが浸透しつつあり、葬儀の際に手渡される会葬御礼に塩が入っていないことが多くなっています。

◆お清めの塩についてはこちらの記事がおすすめです。
葬儀後に塩がないのは何故なの?帰宅後に撒くのを忘れたら?


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仏壇の扉はいつまで閉じておくのか?

お話ししたように、基本的には仏壇の扉を閉める必要はありません。
ただ、家の風習で仏壇を閉じてしまったり、葬儀屋さんが神棚と同じように仏壇を閉じてしまうこともあるようです。
その場合は、いつになったら扉を開けたら良いのだろうか、と迷うことがあるでしょう。
また、今は自宅での葬儀よりも葬儀会場での葬儀は多いのですが、自宅で行うケースも時々あり、その場合は仏壇の扉を閉じることになります。

このように閉じてしまった場合には、葬儀が終了して落ち着いたらすぐに半紙を取り外して仏壇を開けましょう。(家の風習で四十九日まで等と年長者に言われた場合には、それに従った方が良いでしょう。)

仏壇の扉に半紙をする必要はあるのか?

仏壇を閉じておく場合は、半紙を張っておく必要はありません。半紙を張るということは結界を張り侵入を防ぐ目的があります。けれど、仏教では神道と違って死を穢れと考えないため結界なんて不要なのです。

葬儀中の仏壇扉に関する曹洞宗で聞いた納得の理由は?

我が家は曹洞宗の檀家なので、葬儀中の仏壇の扉について菩提寺に確認したところ、「(曹洞宗の)ウチのお寺では」という前置きの後に「仏壇の扉は開けたままにしておきます、と檀家さんにお話ししています」と言われました。また、開けたままにする理由として、以下のことも説明してくれました。

(1)ご本尊や先祖に手を合わせることが大切

仏壇にはご本尊があり、先祖の位牌もあります。(曹洞宗では先祖の位牌があるのですが、浄土真宗等の宗派によっては位牌を置きません。)
ご本尊や先祖への感謝は葬儀の間であっても忌中の間であっても変わるものではありません。特に、ご本尊や先祖は故人を極楽浄土へと導いてくれる存在ですから、遺族は故人が成仏できるよう祈ることが大切なのです。

ですから、葬儀の間も通常通りに、水やお花、仏飯をお供えします。
その後、四十九日までは中陰祭壇を設けて位牌や遺骨、遺影を中央に、その他香炉、線香立て、生花、盛り菓子等を置くのですが、仏壇と中陰祭壇のお供えは一方だけでなく両方に行うようにします。

(2)仏壇を閉じるのは地域性がある

仏壇の扉を閉じるかどうか、というのは宗派としての考え方というよりも、その地域的な風習や家に伝わる民間風習と合わさったのではないか、という話をされたのです。
どちらが絶対に正しいというのでなく、地域によって、家によって異なる可能性もあるので、分からない場合は菩提寺や親戚、地域の見解に従うのが良いでしょう、と言われました。


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さいごに

葬儀の際の仏壇の扉については、浄土真宗では俗信だとして閉じずに開いたまま、とされていますが、仏教のその他宗派も基本的には閉じる必要はない、という考え方です。
とはいえ、これは地域性や家の風習もあり、どちらが間違いかと突き詰める問題ではない、とお寺で言われました。

ですから、実際に悩んだ場合には菩提寺に確認してみることが最善の解決策でしょう。

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