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贈り物・おつきあい

来客のお土産をそのまま出すのは失礼なの?円満な受け取り方は?


来客でお土産をいただいた場合、そのまま出すのは失礼なのでしょうか。
出さない方が良いのでしょうか。

昔はお客様からいただいたお土産を目の前で開けるのは大変失礼なので出さないという家が多かったのですが、今は結構その場でそのままお茶うけとして出す家もあり、どっちが正しいのか分からなくて悩む人もいるでしょう。

今回は、来客のお土産をどうするのが適切なのか、相手に失礼がない円満な受け取り方等についてお話しします。

来客のお土産をそのまま出すのは失礼なの?

お客様からいただいたお土産を出すのは失礼、というのが日本古来のマナーで、これには以下の理由がありました。

  • お客様からのいただきものを出すことは、「お客様をお迎えする準備ができていなかった」という意味であり、「早く帰ってください」という解釈にも繋がってしまいます。
  • いただき物は最初に仏壇にお供えて、誰からいただいたか家族に報告することになっていたから。(報告しておけば、次に家族がお客様に会ったらお礼を言える。家族がお礼を伝えられないのが失礼になります。)

昔の日本人は、このような視点から相手に気を遣っていました。

逆に、突然の訪問の場合は準備が出来ていなくても仕方ないので、出しても問題ないのですが、その際に「お持たせで失礼ですが」「おもたせで申し訳ありませんが」「おもたせでごめんなさい」と言って出すのがマナーとされています。

◆「おもたせ」については、こちらの記事がおすすめです。
おもたせとは?手土産や おつかいものとの違いや使い方は?

特に、その場で出した方が良いものとして以下のような食べ物があります。

  • 日持ちしない物(生菓子、フルーツ等)
  • いただく際に「皆で食べましょう」と言われた場合


一方、今のマナーもお客様に対して気を遣うのですが、昔と視点が違っています。どちらかというと、以下のような視点で物を考える傾向があります。

  • お客様がお土産をくれるのは喜ぶ顔が見たいからであり、その場で出さないと、お土産を嬉しく思う気持ちを伝えることが出来ない。
  • お土産が美味しかった、と伝えることができない。
  • 皆で食べるつもりで持ってきてくれた場合に、その気持ちを踏みにじることになってしまう
  • お客様自身が食べたくて買ってきたのに、出さないとお客様が食べられずガッカリされてしまう。

このような視点なのです。昔も今も、お客様を立てることに変わりはないけれど、どのような点に目を向けるかが全然違うのですよね。時代の流れ、人の考え方の変化の影響が大きいでしょう。そして、どちらの考え方も間違いではないし、マナーとしての上下があるわけでもありません。

年長者がいる場合には、その場で開けるのは失礼だという考え方も根強いので相手の思いをよく伺ってから決めるべきですが、自分と対等な関係、親しい間柄であれば気軽に聞いて大丈夫です。


お土産の受け取り方で気をつけるポイントは?

お客様からお土産をいただく際のポイントは以下の通りです。

(1)必ず両手で受け取ること
(2)「ありがとうございます」とお礼を言うこと
(3)頂き物をいったん上座に置き、お礼など挨拶を終えた後に別の部屋へ持っていきます。(「ちょっと失礼します」と断ってから部屋を出ます。)

ここで、昔式のマナーだったら、別室に持っていかずにお客様がいる間は仏壇にお供えしておき、お客様が帰った後に中身を確認するという流れでした。(また、現在でも「いただきものは最初に仏壇にお供えする」という家は少なからずあります。)

でも、今はどちらかというと、別室に持っていき、そこで中身を確認してから再度細かくお礼を伝える、というのがマナーとされるようになっています。相手が心を込めて選んでくれたお土産を見てどう思うか、というのが相手にとってはすごく気になることなのですよね。ですから、お土産を見てすごく嬉しかったという気持ちを伝えることこそ重要なのです。
そして、この気持ちを伝えることでお客様との会話も更に弾んでくるでしょう。(もしお土産を見なかったら、お客様は「お土産気に入ってくれるかなあ?」と訪問中、ずっと悶々としてしまう可能性があります。)

また、(3)については、もし食べ物だと分かっている場合は、その場で「今、開けてお出ししても良いですか?」と訊くことが大切です。

お土産をいただく際、通常であれば相手から受け取るだけですから相手が何を考えているのか分かりません。ですが、お土産品に対して以下の2つのうち、どちらかの意図を持っているはずです。

  • 訪問先で一緒に「その場」で食べるつもり
  • 訪問先の家族だけで「後で」食べてもらうつもり

相手が「皆で食べましょう」とか、「夜、ご家族で食べてくださいね」とか、渡す時に細かいことを言ってくれれば迷わないのですが、そこまで具体的に言ってくれる人は、あまりいません。ですから、こちらから突っ込んで意図を訊くことが重要です。
お土産をいただいた時に「今、開けてお出ししても良いですか?」と訊くことで、相手がどちらの意図でお土産を持ってきたのか分かるはずです。

その場で自分も食べるつもりなら、「よろしくお願いします」と言いますし、後で家族だけで食べてもらうつもりなら「いえ、私は結構です。後でゆっくり、ご家族で召し上がってください。」と言うでしょう。
直接的な言い方だと相手に失礼だと考える人もいます。でも、相手の意図と逆になる方が、むしろ失礼になるので、はっきり質問する方が良いのです。

さいごに

頂き物をその場で出す場合、自分で用意したお菓子等は出さずに、お客様が帰る際にお土産として包んで持ち帰ってもらいましょう。

◆自分で用意したお菓子を出したい場合については、こちらの記事がおすすめです。
おもたせを出さないで家のお茶菓子を出すのは失礼なの?マナーは?

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