来客スリッパは必要?ない場合は人にどう思われる?基本マナーは?

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来客スリッパは必要?ない場合は人にどう思われる?基本マナーは?

マイホームを購入する際に「来客時にスリッパは必要なのか、なしで問題ないのか」と悩む人は非常に多いです。

来客時のマナーとしてはスリッパは必要かもしれないけど、
実際には実家でスリッパを普段使ってなかったし。
新居は狭くて廊下が殆どないし。
リビングは床暖房してるし。

こんな場合は買わなくても良いのではないか、と考えますよね。

今回は、

  • 来客時のスリッパは必要か
  • スリッパがないと相手にどう思われるか
  • スリッパに関する基本マナー
  • 衛生面を考えて使い捨てスリッパにするのはどうか

以上についてお話しします。

来客時スリッパは必要なの?

来客時にスリッパが必要かどうか、という問題は様々な考え方や各家庭の生活スタイルがあるので一概には言えません。ですが、スリッパの由来と変遷、来客時の最低限のマナーを理解していくと、自分の家ではどうするのがスマートなのか分かってくるでしょう。
そこで、順を追ってお話ししていきます。

スリッパの由来と変遷

スリッパの英単語はslipperですが、英語のスリッパは日本人のイメージするスリッパとは違います。
英語のslipperは、足をスルリと楽に滑り入れて履ける履物を指すものであり、左右は靴と同じようにきちんと決まっています。一方、私逹日本人がイメージするスリッパは、左右どちらでも履けますよね。言葉のルーツはslipperですが、具体的な物としてのスリッパのルーツは、明治時代の日本であり、日本人が考案した物だったのです。

日本のスリッパが考案されたきっかけは、履物に対する文化の違いでした。日本人は家の中で履物を脱ぐけれど、西洋人は靴を脱ぎませんよね。江戸時代末の開国以降、沢山の西洋人が日本に訪れるようになったのですが、西洋人は靴を脱がないで部屋の中へと上がる習慣に馴染めず、かといって土足で日本の家屋に上がられると日本人が困る事態になり問題となっていました。そのため、部屋を汚さないよう、靴の上に別の履物をつけてから部屋へ上がるという方法を考えたのです。

この、別の履物こそ今のスリッパの原型であり、上靴(うわぐつ)、上沓(じょうか)などと言っていました。そして、スリッパが考案された当初は「床を汚さないようにするための履物」だったのです。しかも、靴を脱がずに靴の上からスリッパを履くという、今では考えられない状況ですよね。

その後、時代の変化とともにスリッパの立ち位置も変わっていきました。昭和30年頃までは一般家庭には普及されておらず旅館や学校、病院等で使われるものでしたが、昭和40年以降に家の建築形式が畳よりもフローリングが主流になり、スリッパが一般家庭に普及していきました。そして、その目的が「床を汚さない」よりも「足を汚さない」ことを重視するようになっていきました。

では、次に「スリッパがないと相手にどう思われるのか」をお話しします。


来客スリッパがない場合は相手にどう思われるの?

訪問した家で来客スリッパが出てこないと、

  • この家はスリッパがない家なんだなあ(まあ、いいや。私の家も使ってないから。)
  • 来客スリッパを出さないなんて失礼だわっ(怒)
  • 来客スリッパが見当たらないけど出し忘れなのかな?そのまま上がるべきか、どこにあるのか聞くべきか分からない。困った。
  • 来客スリッパがないと床に足が直接触れるし困った。
    (「足で床が汚れる」又は「汚い床で足が汚れるのが嫌」2パターン有り。)

このように、相手の生活スタイルや感覚によって反応が違ってきます。
スリッパを使う目的も、当初の「床を汚さないため」と考える人もいれば、「足を汚さないため」と考える人もいますし、スリッパを出すのが来客マナーだと考える人もいます。

マナーは伝統的なものを受け継ぐものもありますが、時代と共に生活スタイルも変化することから、どちらの考え方が正しいマナーなのか、ということを選ぶべきではないでしょう。どの考え方も相手のことを思いやることから出てきたことなので、形式的なことに捉われずに「相手への思いやり」を尊重すべきなのです。

ちょっとここで、別の方向からスリッパの必要性についてまとめてみました。

【来客スリッパが必要と感じる主な理由】

  • 足を(汚い)床で汚さない
  • 床を足で汚さない(特に、素足の場合は歩いた跡が残る。ただし素足は訪問時のマナー違反。)
  • 危険物を踏んで怪我をすることがない(地震等の際にガラスの破片などが床に散らばる可能性があるため防災上欲しい道具の1つ。)
  • 足が冷えない(スリッパ無しだとフローリングがひんやり感じる。)
  • ペットの毛が落ちているのを踏まなくて済む
  • おもてなしの気持ちを表すことができる

【来客スリッパを必要ないと感じる主な理由】

  • 自分が履かないから必要性を感じない
  • 家がキレイだからスリッパの必要性を感じない
  • 使う距離が短く(和室や床暖房等)、相手に履かせたり脱がせたりするのが申し訳ない
  • 不特定多数が履くため、お客様が不衛生だと嫌がるかもしれない

ここで来客スリッパの必要な理由と必要ない理由の両方を見ると、どちらにも共感しますよね。
でも、「家がキレイだから必要性を感じない」という理由については、自分と他人との意識の違いがあるので注意が必要です。自分ではキレイにしているつもりでも、潔癖症の人にとっては部屋の隅にある埃1つ発見しただけでも「この家、全然掃除してないわっ!」と思うかもしれないし、ペットを飼っていると猫の毛1本でも見つけると嫌がる人もいます。だから、自分の主観だけでは「掃除しているから」という自信を持たない方が無難です。

また、玄関から距離が短い場合でも、スリッパを出してもらうことでお客様として歓迎されているという安心感があります。また、床暖房の場合はスリッパなしの方が温かいけど、それ以外はスリッパが必要と感じるかもしれません。この場合も、おもてなしの気持ちを伝えることができるので、やはり出した方が良いでしょう。(出さないと、「この家はスリッパを出さないのか?」と思う人もいます。人の価値観は様々あるのです。)

特に近年は潔癖な人も多いし衛生面を重視する風潮もあるので「足を汚さない」という目的を突き詰めていくと「スリッパそのものがキレイかどうか」となってしまうのです。

ですから、スリッパを出す場合でもマナーを考えることが非常に大切です。
スリッパに関係するマナーのポイントについて次にお話しします。


来客時スリッパマナーで特に注意すべきこと

お客様を迎える際には、次のことに気を付けて行いましょう。

  • 床を掃除しておく(掃除機やモップ等)
  • 来客者数分のスリッパを玄関に出しておく
  • お客様が玄関から上がる際に「どうぞ(スリッパを)お使いください」と声をかける
  • お客様が帰宅した後にスリッパをきれいにする

スリッパの出し方について

スリッパの出し方については、お客様が来る前に出しておく方法と、来た時に玄関でお迎えする際に「どうぞ」とスリッパラックから前に差し出す方法がありますが、どちらでも大丈夫です。

なお、お迎えするタイミングで出す場合には、玄関でお客様を待たさずにすぐ差し出せるようにする必要があります。ですから、お迎えする際に慌ただしい場合は、事前に出しておく方が楽です。ただし、この場合は、来客用スリッパを(お客様が来ないのに)常に出しておくような面倒臭い発想は避けなければなりません。あくまでも「人数分のスリッパを、来客前に揃えておく」という考え方にしましょう。

来客スリッパで使い捨てってどうなの?

不特定多数の人が履くことを考えると、使い捨ての方がお客様にも安心かもしれない、という考え方もあります。
1足あたり約50円程度なので安いし安心ですよね。

使い捨てスリッパは白色が多いのですが、ブラウン色だと「使い捨て」のイメージを払拭できそうですね。

ただ、人によっては使い捨てと分かると、「あなたの足が汚いので次に使うことができません。仕方がないので使い捨てスリッパを出しました。」という解釈をする可能性もあります。
また、使い捨てだと「安い」ことから、「あなたの価値はいくらでもありません。」という解釈もあり得ます。

使い捨てスリッパは良いアイディアだと思うかもしれませんが、人によってネガティブイメージを抱く可能性があるので注意しなければなりません。自分のお客様がどういうタイプかをよく考えて決める方が良いでしょう。ただ、電気屋さんや水道屋さんなどの業者が来た時のスリッパとしては使いやすいと思いますよ。

来客スリッパの手入れについて

使い捨てスリッパでない普通のスリッパを使う場合、お客様に気持ち良く使ってもらうためには、使った後の手入れが大切です。次のような方法があります。

      • 洗う(洗えるスリッパ※の場合のみ)
      • 外に干す
      • 除菌スプレーでスプレーする

※洗えるスリッパ
普通のスリッパは洗えません。「洗えるスリッパ」として販売されているものだけが可能です。
通常の洗えないスリッパは底が硬めになっていますが、洗えるスリッパは弾力性のある底でフワフワしたものが多いです。

洗えるスリッパを探していくと1足あたり1~2千円という商品も多くありますが、1足799円というお得なお値段のものも。

もちろん、普通のスリッパを購入して、お客様が帰った後に除菌スプレーをする等してきれいにする方法もありますが、これからスリッパを購入するのであれば、「洗えるスリッパ」だと丸洗いできるのでオススメです。

さいごに

日本のスリッパ文化は明治時代以降のものですが、スリッパを履く目的は時代背景に応じて変化してきており、スリッパの必要性については人それぞれ感じ方が全く違います。

とはいえ、スリッパを用意しておくに越したことはありません。スリッパを履きたい人には履いてもらい、嫌がる人には無理に履かせない、というだけですから。嫌がる場合のことを考えると、一目見れば清潔だと分かるスリッパを用意しておきたいものですね。

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