上司から体調不良で休むと連絡が来た場合、電話やメールの締めの言葉はどうしたらいいのでしょうか。
「無理しないでね。お大事に。」
を、上司や目上の方向けに、敬語でどう表現するかを、ご紹介します。
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「無理しないでください」を敬語に直すとどうなる?
「無理しないでください」を、敬語にすると次のような言い方になります。
- ご無理なさらずに
- ご無理なさいませんように
- ご無理なさいませぬように
- ご無理なさらないでくださいね
- 「無理」の前に「ご」をつけて丁寧にする
- 「する」を尊敬語の「なさる」に変える
- 「ください」という言葉は尊敬語ではありますが、相手への要求する「くれ」「くだされ」という命令形でもあるため、強い印象になります。言い方にもよりますが、「ように」で終わらせて「ください」「してください」をつけないか、語尾に「ね」をつけることで柔らかい印象になります。
「体を大事に」を敬語に直すとどうなる?
体を大事にしてほしい、という気持ちを敬語で伝える表現で、当たり障りがないのはこちらです。
- お大事になさってください
- 「なさる」が「する」の尊敬語
- 「お大事にしてください」よりも丁寧な表現
- 冒頭に「くれぐれも」をつけると、より丁寧な言い方
「お大事に」は、相手の体を気遣う言葉です。話し言葉では、「お大事に」と省略してもいいでしょうが、目上の方には「お大事になさってください」と、きちんとした文章を使う方が丁寧ですし、好感が持てます。
「お大事に」の代わりに「ご自愛下さい」は使えるの?
手紙やメールでの締めでよく使う言葉がありますね。
- ご自愛ください
「お大事になさってください」と同じ意味合いで使われることが多いですが、以下の2点に注意しましょう。
- 「お体ご自愛ください」という言い方は間違い
- 「ご自愛ください」は、病気でない相手に対して体を大切にするよう促す言葉
(1)については、「自愛」の漢字を分解するとわかります。
- 自:「自分の体」の意味
- 愛:「大切」の意味
「ご自愛ください」だけで「お体を大事にしてください」という意味になります。「お体ご自愛ください」とすると、「体」が重複します。「頭痛が痛い」が重複でおかしな日本語であるのと、同様です。
(2)については、「お大事に」と「ご自愛ください」は同じように使う方もいらっしゃいますが、本来使い方が異なります。
- お大事に:病気の人を気遣う時に使う言葉
- ご自愛ください:(病気でない人に対して)病気にならないようご注意ください」という意味で使う言葉。「お体にお気をつけください」も同じ。
「ご自愛ください」をより丁寧にすると、「くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛ください」というような言い方があります。これも病気ではないからこそ、「体調を崩さないように」という言葉に続けることができるのです。
目上の人が病気の場合、「お大事になさってください」を別の言葉で、より一層丁寧な表現をしたい場合には、次のような言い方もあります。
- 一日も早い復帰をお待ちしております。
- 一日も早くお元気になられるようお祈り申し上げます。
- 一日も早いご回復をお祈りいたしております。
さいごに
- ご無理なさらないように
- お大事になさってください
- ご自愛ください
- お体にお気をつけください
いずれも、普段耳にする言葉ですが、いざ目上の方に対して使うとなると、敬語や丁寧語として合っているのか不安になるものです。
そもそも、相手を気遣う行為は、目上も目下も関係なく人として大切なことです。上下関係を気にして使い分けるのではなく、相手を気遣う言葉として日常的にも使うようにするといいでしょう。
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