施餓鬼(せがき)〜施餓鬼会・施餓鬼法要・おせがきの意味は?何をする? お布施の相場、表書き、服装は?

この記事にはプロモーションが含まれています

仏事
この記事は約8分で読めます。

お盆の時期に、お寺から施餓鬼会施餓鬼法要の案内をいただくことがあります。

・施餓鬼って何のことでしょう?
・誰がいつどこで誰の法要をする行事なのでしょうか?
・お布施の金額や表書き、服装は決まっているのでしょうか?

今回は、施餓鬼のことや、お布施の相場や表書きとお寺への渡し方、服装などをご紹介します。

スポンサーリンク

施餓鬼(せがき)の意味は?何をする行事なの?

施餓鬼とは?

お盆の時期になると、多くの寺院では「施餓鬼(せがき)」が行われます。
寺院の法事(仏教行事)の一つで、施餓鬼会(せがきえ)とか、お施餓鬼施餓鬼法要ともいいます。

餓鬼とは?

餓鬼とは、常に喉が渇き飢に苦しんでいたり、身寄りがなくこの世に彷徨っている霊のことですが、自分自身の貪る(むさぼる)心・欲深い心のあらわれのひとつとも教えられます。

施餓鬼とは?

施餓鬼では、飢餓に苦しむ餓鬼に食べ物や水を施し成仏を願い供養します。施餓鬼は、苦しんでいるものに慈悲の手を差し述べる布施業の一つでもあります。施餓鬼を行うことは徳を積むこととなり、自分にも救いがあるとされています。

そもそも施餓鬼が行われるようになった由来は、お釈迦様の仏話が元とされています。

昔、釈迦の弟子の阿難(あなん)が修行をしていたところ口から火を吐く餓鬼が現れ、「お前の寿命はあと3日だ。助かりたいなら沢山いる餓鬼や婆羅門、仙人1人1人に食べ物を施すように」と言われたのですが、そんなに沢山施すなんて出来ない、と考えてどうしたら良いのか釈迦に相談したところ、「呪文を唱えて施しをするように」と教わりました。そして、阿難は3日間餓鬼供養を行うことで寿命を延ばすことができ、その後も釈迦にお仕えし続けた、、ということです。

宗派での違いは?
  • 浄土真宗では、死者は全て極楽往生していると考えられているため施餓鬼会を行いません
  • 曹洞宗では、施す者と施される者の関係に身分差別があってはならないという考えから、「施餓鬼」でなく「施食会(せじきえ)」と呼びます

施餓鬼(施餓鬼会・施餓鬼法要)はいつする?

施餓鬼法要・施餓鬼会は寺院の法事(仏教行事)であるため、時期に決まりありません。お盆の時期に行われることが多いようですが、春秋のお彼岸に行ったり、災害があった時期に行ったり、寺院によっては毎日行います。

施餓鬼(施餓鬼会・施餓鬼法要)では何をする?

地域や宗派によって、内容も考え方もことなりますが、施餓鬼棚精霊棚を設け、食べ物や水をお供えし、施餓鬼旗という5色で1組、あるいは1つの旗に5色が染められているものを周辺などのかけます。僧侶が読経し法要を営みますが、寺院によっては法話や参加者の食事会があったり、トークショーやコンサートなどのイベントも行うこともあります。

普通の法事のように、僧侶が檀家廻りをして読経することもあります。

盂蘭盆会と施餓鬼の違いは?

施餓鬼は、寺院の法事(仏教行事)であり、餓鬼の供養と布施業の一つです。お盆やお彼岸に営まれることは多いですが、月日に定めはありません。また、「法要」とはいっても親族や近しいものが集う不幸時の法要とは異なり、多くの人を集めて営む「法会(ほうえ)」です。

盂蘭盆会(うらぼんえ)、いわゆるお盆は、ご先祖様や個人の霊を祀りその冥福を願い、一般的には7月(または8月)13日~16日の日程で毎年行います

施餓鬼は餓鬼供養、盂蘭盆会は先祖供養ですから、目的も対象も異なるのです。

スポンサーリンク

施餓鬼(施餓鬼会・施餓鬼法要)のお布施の相場は?表書きは?

施餓鬼(施餓鬼会・施餓鬼法要)のお布施の相場

お布施は3,000~10,000円程度が一般的です。
施餓鬼料に指定がある場合もあります。寺院からの施餓鬼法要・施餓鬼会の案内に記載されていることもあるので、よく確認しましょう。

施餓鬼(施餓鬼会・施餓鬼法要)のお布施はどのように持参すべき?表書きは?

寺院からの指定がなければ、不祝儀袋や白無地封筒などに包んで持参します。

施餓鬼のお布施の包み方は?
  • 封筒:不祝儀袋や白無地封筒 / 奉書紙(ほうしょし)+中袋が最上位
  • 表書き:「御布施」「御施餓鬼料」「施餓鬼供養料」など
  • 水引:基本的に不要(結び切りやあわじ結びの水引がついていても問題ありません)
  • 名入れ:フルネームもしくは○○家
  • お金の入れ方袋とお札の表を同じにし、お札の顔が書かれている部分が袋の上部にくるようにいれます

寺院によっては、施餓鬼法要専用の封筒があったり、当日受付で参加費のように袋に入れず支払うこともあります。
行事ごとにお布施の名称が決まっている寺院もあります。

指定がある場合には、案内状に記載されているかと思いますが、わからない場合には事前に寺院に聞いておくか、不祝儀袋に入れて持参するのが無難です。

不祝儀袋にお包みしますが、弔事ではありませんので、慶事と同様の包み方をします。

施餓鬼(施餓鬼会・施餓鬼法要)にお供えは必要?

地域や宗派、寺院によって、お供え(施餓鬼米・洗米など)を用意することもあれば、特に用意する必要がない場合もあります。施餓鬼米(洗米)の用意が必要な場合には、案内に記載してあるかと思います。これにも地域差がありますので、わからない場合には事前に確認しておくといいでしょう。

通常のお供え物と同じように用意することもできます。その場合の表書きは「御供」です。

施餓鬼(施餓鬼会・施餓鬼法要)で卒塔婆は必要?

卒塔婆を立てる必要がある場合もあります。必要ではなくても、お願いすることもできます。
その場合には、お布施とは別に3,000円~10,000円包みます。寺院によって、1本あたりの金額が設定されていることもあります。

卒塔婆料の包み方
  • 封筒:不祝儀袋や白無地封筒 / 奉書紙(ほうしょし)+中袋が最上位
  • 表書き:「卒塔婆料」「卒塔婆代」「御塔婆料」など
  • 水引:基本的に不要(結び切りやあわじ結びの水引がついていても問題ありません)
  • 名入れ:フルネームもしくは○○家
  • お金の入れ方袋とお札の表を同じにし、お札の顔が書かれている部分が袋の上部にくるようにいれます

卒塔婆を立てるのは、不幸ごととは別です。不幸事とは違う入れ方=慶事の入れ方 にします。

卒塔婆を立てるかどうかは地域差があります。浄土真宗では、卒塔婆は立てません。
わからない場合には、事前に寺院に聞いておくといいでしょう。

スポンサーリンク

施餓鬼(施餓鬼会・施餓鬼法要)の服装は?喪服、平服?

施餓鬼法要・施餓鬼会は寺院の法事(仏教行事)であるため、喪服である必要はなく略喪服(平服)で構わないとされています。

服装は?
  • 男性は、黒・紺・ダークグレーなどのダークスーツ
  • 女性は黒・紺・グレーなどのスーツやワンピース、アンサンブルなど。アクセサリー、マニキュア、お化粧、髪型、髪飾りなどについては、華美なものは控えましょう。
  • 裸足はNG、男性は靴下を、女性はストッキングを着用しましょう。

平服とは、礼服・礼装でなくてもよいという意味です。
服装は気にしないで普段着できてね、、という意味ではありません。

スポンサーリンク

家で施餓鬼(施餓鬼法要)を行うなら?

僧侶にお越しいただき、家で施餓鬼(施餓鬼法要)を行うこともあります。地域や宗派、寺院によってお供物など用意するものが異なりますので、日程調整などの打ち合わせの際によく確認しておきましょう。

家で施餓鬼(施餓鬼法要)を行う時のお布施は?

お布施は、お寺で行う時と同じで3,000~10,000円程度が一般的です。

お車料別途5,000〜10,000円お包みします。
※ 僧侶の送迎をする場合や、タクシーを手配する場合、他の法要と一緒に執り行う場合には、施餓鬼会用のお車料は不要です。

家で施餓鬼(施餓鬼法要)を営む時の服装は?

家人だけの場合もあれば、お盆の時期には親戚などを招く場合もあります。いずれにしても、僧侶に足を運んでいただくわけですから、失礼のない服装を心がけましょう。

自宅での服装は?
  • 施主略礼服(ブラックスーツ)が無難、もしくは略喪服(黒や紺、ダークグレーなどのダークスーツ)
  • 施主以外略喪服(黒・紺・グレーなどのスーツやワンピースなど)か、白・グレー・黒などの地味な服装
  • 平服であっても、数珠は用意しましょ

暑い時期であれば、半袖のシャツやブラウスでも構いませんが、肌の露出が多い服装や、華やかな服装は避ける方がいいでしょう。

お盆の供養と一緒にできる?

お盆や他の法要と一緒にお願いすることもできますが、お盆などの法要と施餓鬼法要では、そもそも目的が異なりますので、お供物が異なります。
寺院も、家側もそれぞれの準備がありますので、日程調整の際によく確認しておく必要があります。

お盆の時期に案内をいただくことが多い施餓鬼法要。時期が時期だけに混乱しやすいですよね。さらに、地域や宗派によってもことなるのですから、ますますわかりづらいですね。

お盆の供養は、先祖供養です。
施餓鬼法要は、餓鬼道で苦しむ人々や無縁仏となり供養されない人々、動物などに食事を施し供養します。そうすることで、自分の徳も積むことができます。お盆のように、期間限定でもありません。

日常生活では、寺院に関わる行事といえば故人の供養と不幸時ばかりな気がしますが、今生きる人たちが迷いなく、より幸せに暮らすための仏様の教えがあるのだと、施餓鬼法要などに参加すると気付かされます。

タイトルとURLをコピーしました