蜘蛛を殺さないのは理由があるの?殺していいのは朝夜どっち?

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蜘蛛を殺さないのは理由があるの?殺していいのは朝夜どっち?

蜘蛛は殺さないほうがいいと言われていますが、これには理由があるのでしょうか。

また、朝と夜で殺しても問題ないのはどっちでしょうか、それとも殺さないほうが良いのでしょうか。

今回は、蜘蛛を殺すかどうか、朝夜等の時間帯のことや、人を噛む性質の有無なども含めてお話しします。

◆こちらの記事もおすすめです→蜘蛛の退治方法!一人暮らし虫嫌いに欠かせない対策や捕まえ方は?

蜘蛛を殺さないのは理由があるの?

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蜘蛛を殺さない理由は大きく分けて次の3つがあります。

  1. 蜘蛛は益虫だから
  2. 「蜘蛛の糸」の小説
  3. 蜘蛛にまつわる言い伝え

蜘蛛は益虫

蜘蛛は見た目がグロテスクですが、他の虫を食べてくれる益虫なので毒蜘蛛でない限り殺さない方が良いです。(毒蜘蛛は日本には滅多におらず、セアカコケグモ(背中が赤い)やクロゴケグモ程度です。)

蜘蛛は実は臆病な生き物で少し脅かすと直ぐに逃げていくので、窓の方に誘導していくと家の外に出て行ってくれることも多いです。

家の中でよく遭遇する蜘蛛としては、アシダカグモがあります。これは足が長く大きくて全長10~13cm程度の大きさのもあります。これだけ大きいのがいると虫嫌いの人にとっては恐怖かもしれませんが、蜘蛛の巣は作らないで生活するので、その点では害を感じないでしょう。

そして、これが益虫たる所以としては、ゴキブリを食べてくれることです。アシダカグモはゴキブリがいる家に棲みつくとも言われているので、これを見つけた場合でも、むやみに殺さない方が良いのです。

その他では、ぴょんぴょん撥ねて動くハエトリグモもいます。こちらは文字通り、ハエを捕まえて食べてくれる益虫です。その他、小さいゴキブリやダニ、蚊など人間にとって害虫を食べてくれるので、下手に殺さない方が良いのです。

もしこれらの蜘蛛を退治してしまうと害虫であるゴキブリやハエなどが残ってしまうため、その方が人間にとって都合が悪くなります。だから蜘蛛を退治したいならその前にゴキブリなどの駆除をするのが先決と考えておきましょう。

「蜘蛛の糸」の小説

芥川龍之介の小説に「くもの糸」があり、あらすじは次の通りです。

大泥棒カンダタは生前の罪によって死後地獄に落ちたのですが、生前に1つだけ「踏み殺そうとした蜘蛛を見逃した」という善い行いをしたことから、それを思い出したお釈迦様が蜘蛛の糸で救ってやろうと考えて蜘蛛の糸を大泥棒の前にぶら下げました。

蜘蛛の糸に気付いたカンダタは天国へ向かって細い糸を上ろうと必死で行くのですが、途中で他の罪人達が気付いて大勢上ってきたのを見て、蜘蛛の糸が切れてしまうのを恐れて罪人達に下りるよう叫んだところ、蜘蛛の糸が自分のぶら下がっている箇所でプツリと切れてカンダタも地獄へと落ちていき、お釈迦様は悲しみました。

この話で蜘蛛がお釈迦様の遣いであり人間を助けてくれることから、蜘蛛を殺してはいけないと思っている人もいるようです。


蜘蛛を殺さないのは朝と夜どっち?

蜘蛛を殺さないのは朝と夜、どちらの言い伝えもあります。ですが、どちらかというと朝蜘蛛は福蜘蛛として歓迎され、夜蜘蛛は忌み嫌われる傾向があります。

よく聞く言い伝えとして次のようなものがあります。

  • 朝の蜘蛛は福が来る夜の蜘蛛は盗人が来る
  • 朝の蜘蛛は殺すな夜の蜘蛛は殺せ
  • 朝の蜘蛛は敵でも逃がせ、夜の蜘蛛は親でも殺せ
  • 朝の蜘蛛は金運が上がる、夜の蜘蛛は盗難に遭う

最も古い言い伝えとしては日本書紀にあり、天皇の后の一人が「夜蜘蛛が活発な行動をしているから、今夜は(夫である)天皇が自分のところを訪問してくれるだろう」という内容の歌を詠んだとされています。これは夜蜘蛛にまつわる言い伝えですが、昔から蜘蛛の動きによって来客や待ち人の兆しと結びつけていたと考えられています。

夜蜘蛛が嫌われる理由としては、グロテスクな形で蜘蛛の巣を張って薄暗い場所に潜むことから「不気味」なイメージを与えることや、夜にまつわる言い伝えの多くが「不吉な時間帯」であることがあるからでしょう。

蜘蛛以外の夜の言い伝えとしては、「夜に爪を切ると親の死に目にあえない」「夜に口笛を吹くな」などがあり、いずれも縁起が悪い言い伝えとして知られています。

一方、朝蜘蛛が好まれる、縁起が良いとされる理由としては、蜘蛛は天気が良い日に網を張ることから、農作業などもはかどるし、良い1日になるだろうと喜ばれたからかもしれません。

ところで多くの場合は「夜蜘蛛は縁起が悪い」という扱いですが、地域によっては「夜蜘蛛は蜘蛛の巣で悪夢を捕まえてくれるから縁起が良い」という扱いもあるようです。

蜘蛛が人を噛むって本当なの?

ところで、昼間は虫を捕まえてくれ益虫として知られている蜘蛛ですが、夜に噛まれたことがあるという人がいます。

蜘蛛は上でお話ししたように臆病なので滅多に攻撃せずに逃げようとしますが、接近した際に防衛目的で噛みつかれる恐れはあります。ですから、むやみに触らないようにしましょう。

ちなみに、毒蜘蛛として知られているのは外来種のセアカコケグモくらいですが、実は、日本にいる約1500種の蜘蛛のうち、殆どが毒を持っています。ただし、その毒は噛んでも牙で人間の皮膚を刺せない程度の弱さだし、人間に影響がない程度なので問題視されていません。

毒で問題となったのはセアカコケグモ以外では、噛まれた記録があるのが20種類程度あるのですが、腫れたり痛みを伴う症状が出たのはカバキコマチグモくらいしかありません。

さいごに

蜘蛛を殺さないほうがいい、と言われているのは様々な言い伝えもありますが、実際問題で「益虫だから」という点が大きいでしょう。蜘蛛は確かにグロテスクな形をしていますが、ゴキブリやハエのような病原菌を持って徘徊するような虫ではなく、それらを食べてくれる上、蜘蛛にはその病原菌は移らないため衛生上も安心なのです。

朝蜘蛛と夜蜘蛛、どっちが殺さない方が良いのか、というので迷うかもしれませんが、両方の言い伝えがあるので、グロテスクな蜘蛛を怖いと思わなければ、そっと捕まえて逃がしてあげるのが良いでしょう。

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